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インフルエンザ総特集

インフルエンザの異常行動は抗ウイルス薬と関係があるの?

今さら聞けないインフルエンザの話〔その4〕

 三和護=日経メディカル

2016年~2017年シーズンのインフルエンザ流行速報から、知っているようで知らないインフルエンザの基礎知識まで、この特集で一挙解決! インフルエンザ流行マップはこちら毎日更新中です。

 2月半ば、「インフル薬服用の中2男子が転落死」というニュースが流れました。インフルエンザにかかり、抗ウイルス薬による治療を受けていたそうです。私の周りでは、「薬を使っていたので異常行動を起こし、転落してしまったのではないか」と受け止める人もいます。はたして、抗ウイルス薬の使用と飛び降りなどの異常行動との間に関係はあるのでしょうか?

 早速、調べてみました。

抗ウイルス薬を使わない患者にも異常行動は起こる

薬の処方の有無にかかわらず、インフルエンザには異常行動を起こすリスクがある。(©Sebastian Kaulitzki-123rf)

 結論から言うと、「抗インフルエンザウイルス薬の種類、使用の有無と異常行動については、特定の関係に限られるものではない」でした。つまり、インフルエンザにかかった人の中には、抗ウイルス薬を使っていても、あるいは使っていなくても、異常行動が確認されているということです。また、抗ウイルス薬の種類によって異常行動の発現に違いはない、というのが結論でした。

 毎年「インフルエンザ罹患に伴う異常行動研究」が行われています。2015/16年シーズンの調査結果が出ていますので、ポイントを見ていきたいと思います。研究の正式名称は、平成27年度日本医療研究開発機構委託事業である「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究」(研究代表者:川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦氏)です。

 調査の依頼対象はすべての医療機関で、インフルエンザ様疾患と診断され、かつ、重度の異常な行動を示した患者について報告されています。重度の異常な行動とは、「飛び降り、急に走り出すなど、制止しなければ生命に影響が及ぶ可能性のある行動」です(報告の基準は表1のとおり)。「飛び降り」、「急に走り出す」のほかには「おびえ・恐慌状態」「ないものが見えると言う」「わめく・泣き止まない」「暴力・興奮状態」「無意味な動作の繰り返し」などが含まれます。

表1 インフルエンザに伴う異常な行動に関する報告基準

インフルエンザ様疾患と診断され、かつ、重度の異常な行動を示した患者

インフルエンザ様疾患

― 臨床的特徴(上気道炎症状に加えて、突然の高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛を伴うこと)を有しており、症状や所見からインフルエンザと疑われる者のうち、下記のいずれかに該当する者

*次のすべての症状を満たす者
(1)突然の発現
(2)高熱(38℃以上)
(3)上気道炎症状
(4)全身倦怠感等の全身症状

*迅速診断キットで陽性であった者

重度の異常な行動

― 突然走り出す
― 飛び降り
― その他、予期できない行動であって、制止しなければ生命に影響が及ぶ可能性のある行動


 調査期間は2015年第38週(2015年9月14日~20日)から2016年3月31日までですが、この間に58例の異常行動症例が報告されました。このうち「突然走り出す・飛び降りのみ」は35例でした。それぞれの患者背景は表2の通りです。これらの結果は、「これまでの報告と概ね類似している」という結論でした。

表2 異常行動症例の患者背景
           重度の異常行動n突然走り出す・飛び降りのみn
平均年齢(中央値)8.98歳(8)589歳(8)35
性別(男性/女性)40人(69%)/18人(31%)5826人(74%)/
9人(26%)
35
平均最高体温(中央値)39.5℃(39.5℃)5739.2℃(39.1℃)34
発熱から異常行動の発現までの日数1日以内18例(31.6%)5710例(28.6%)35
2日目28例(49.1%)5715例(42.9%)35
3日目10例(17.5%)579例(25.7%)35
4日以降1例(1.8%)571例(2.9%)35
異常行動と睡眠の関係異常行動は覚醒していて徐々に起こった8例(14%)554例(12%)32
異常行動は眠りから覚めて直ちに起こった40例(73%)5522例(69%)32
その他7例(13%)556例(19%)32

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