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「認知症は、とても奥深い病気です」【作家・中島京子さん】

小説『長いお別れ』の著者・中島京子さんに聞く 「親の認知症」前編

 聞き手:伊藤左知子=医療ジャーナリスト

認知症を発症した父親と、その父親を介護する家族を描いた小説『長いお別れ』の著者・中島京子さんは、自身も認知症の父親を、長い年月をかけて見送った経験を持つ。そんな中島さんに、小説のこと、親が認知症になるということについて話を伺った。

ある日、「それであんたは誰の娘さんだったっけ?」

今回、認知症をテーマにした小説をお書きになったのは、やはりお父様の認知症介護がきっかけでしょうか?

 そうですね。私の父は一昨年の暮れに亡くなりましたが、アルツハイマー型の認知症と診断されてから約10年間、母が中心となって看てきました。父が認知症と診断されたときは、娘としては確かにショックだったのですが、そう診断されたからといって、すぐに娘の顔も忘れて、「あなた、どなたですか?」などと言われ、「お父さん!私のこと忘れてしまったの!」となるわけではないのですね。一般に、認知症は辛くてたまらない現実が待ち構えている病気と思われているようですが、実際には、日常の中で始まり、徐々に進行するものなので、辛さもあれば面白さもある奥深さがありました

認知症の父親とその家族を描いた中島さんの作品『長いお別れ』(文藝春秋/1550円+税)

 認知症の症状の興味深さに気づいたのは、比較的初期の段階だったと思います。その頃は、今食べたものは忘れても、過去の記憶はまだ鮮明でした。そんな、ある日、昔、田舎で伯母がどうしたとかいう話を楽しく話していたとき、隣にいた父が急に「それであんたは誰の娘さんだったっけ?」と私に言ってきたんです。びっくりして「何言ってるの?お父さん!」となったのですが、ショックよりも、なんとなく面白くなってしまって。この人の頭の中では、なんておかしなことが起きているのだろうと思ったんですよね。

 それで、父に起こっていることを書きたいという気持ちになったのですが、私は普段、自分自身のことを小説には入れないので、どう書いたらいいのか、距離の取り方がよく分からず、なかなか書けずにいたのです。認知症を題材に長編小説を書こうと構想していたのですが、3年ほど前に、たまたま出版社から、短編小説を一編書きませんかという話を頂いたので、試しに1回書いてみようと思って書いたのが、最初の「全地球測位システム」という話なんです。

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