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一から学ぶ、認知症

認知症のリスク増も!? 注意したい薬の重複と飲み合わせ

認知機能が低下した高齢者の薬の飲み忘れとその対策(2)

 伊藤左知子=医療ジャーナリスト

 例えば、アルツハイマー型認知症と診断された場合、認知症の進行を抑えるために、脳のアセチルコリン(神経伝達物質の一種)を増やす薬が使われることがある。一方、花粉症で使われる抗ヒスタミン薬、頻尿の原因となる過活動膀胱(ぼうこう)を抑える抗コリン薬、あるいは胃薬で使われる抗ヒスタミン作用を持つH2ブロッカーという薬、これらは全てアセチルコリンの働きをブロックする薬だ。アセチルコリンを増やす薬と抑える薬を両方同時に飲んでも意味がないことは言うまでもない。

「患者力」が多過ぎる薬の副作用を防ぐ!

 薬の重複や飲み合わせの問題は、その人がどういう薬を飲んでいるのか、トータルで医師や薬剤師が管理できれば、容易に解決できる。「そのためには、『患者力』を高めることが大切です」と秋下さん。

 私たちはまず、医師や薬剤師がなんでもお見通しの超能力者でないことを認識する必要がある。内科で高血圧の治療をしている人が、整形外科で腰痛の治療をしていても、教えてもらわなければ、それぞれの医師には分からないということである。

 つまり、複数の医療機関を受診している場合は、それぞれの医師にどこでどういう病気の治療を受けていて、どういう薬を飲んでいるのか、きちんと伝えることが重要なのである。

 また、お薬手帳は1冊にまとめること、薬はいろいろな薬局でもらうのではなく、かかりつけ薬局でもらうこと。できればかかりつけ薬剤師を作り、飲んでいるすべての薬を管理してもらうようにすることが大切だ。高齢者で認知機能が低下してきた場合でも、かかりつけ薬局が1つ、お薬手帳も1冊であれば、ご本人もご家族も管理しやすくなるし、薬の増え過ぎや薬の副作用をチェックしてもらいやすくなる

 「もともと高齢になると、身体の代謝が落ちて薬の効き方が若い頃とは変わってきます。そうした変化を見逃さないようにするためにも、かかりつけ薬剤師がいると安心ですね」と秋下さん。

 薬とうまく付き合っていく「患者力」を高めることが、身体のためにはもちろん、認知症の発症や進行を予防するためにも大切だ。

秋下雅弘(あきした・まさひろ)さん
東京大学大学院医学系研究科加齢医学(老年病学)・教授、東京大学高齢社会総合研究機構・副機構長(兼任教授)、東京大学医学部附属病院副院長
秋下雅弘(あきした・まさひろ)さん 1985年東京大学医学部卒業後、同老年病学教室助手、スタンフォード大学研究員、ハーバード大学ブリガム・アンド・ウイメンズ病院研究員、杏林大学医学部高齢医学助教授、東京大学大学院医学系研究科加齢医学助教授などを経て、2013年同教授に。日本老年医学会副理事長、日本老年薬学会代表理事。老年病の性差、高齢者の薬物療法などを主に研究する。主な著書に「薬は5種類まで」(PHP新書)。

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