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一から学ぶ、認知症

重症化で切断も…どう防ぐ? 高齢者の足トラブル

放置すると転倒リスクや歩行障害のリスク

 伊藤左知子=医療ジャーナリスト

(1)加齢による筋肉や骨の衰え

 高齢者は筋肉や骨が衰えるため、走る、蹴る、飛ぶなどの動きが鈍くなる。また、骨を支える筋肉も衰えるため、骨が変形したり、圧迫されたりして、姿勢が悪くなりがちだ。一般的に高齢者は前足部分に重心がかかり、前傾姿勢になりやすい。よって転びやすい。

(2)加齢による神経細胞の減少

 加齢に伴い脳の指令を伝達する神経細胞(ニューロン)と神経伝達物質が減少する。そのため神経伝達速度が低下する。その結果、視覚、聴覚、触覚など様々な感覚のインプットが鈍くなり、平衡感覚が不安定になりやすい。めまいが起こるのもそのためだ。動作が緩慢になり、瞬間的な運動が困難になるため、転倒しやすい状態になる。

(3)加齢による皮膚の変化

 高齢者は、皮膚にハリを与えるコラーゲンが減少する。実は足底の土台となる足底腱膜と呼ばれる組織はコラーゲンが綱状構造となったもの。コラーゲンが減ると足底腱膜が弱くなり、歩行困難を起こしやすくなる。

(4)加齢による動脈や静脈の劣化

 加齢に伴い動脈が肥厚し、動脈硬化を起こすと、下肢の血流が減少し、小さな傷から足の壊死や壊疽を起こす可能性が高くなる。また静脈系、リンパ系の機能が低下することで、むくみが起こりやすくなる。

(5)慢性疾患による影響

 年をとると様々な持病を抱える人が多くなるが、慢性疾患は足病変、転倒などの原因になることも多い。特に影響の大きい合併疾患は、糖尿病、心疾患、末梢動脈疾患、関節リウマチである。糖尿病になると、骨量が減少することが知られているが、ほかにも糖尿病神経障害という感覚まひの障害が起こり、少しのケガに気付かないことも。また血流も悪くなることから、小さなケガから壊死や壊疽に進行しやすい。心疾患の患者は足の虚血(血液の流れが悪くなること)を併発するため、やはり壊死や壊疽が進行しやすい。関節リウマチは痛みを伴う原因不明の多発性関節炎を主体とする進行性の炎症疾患である。


 (1)~(5)の原因が複雑に絡み合うことにより、足病変は進行していくのである。

足病変を予防し、転倒を予防するフットケア

 認知症になっても自分の足で立ち、できるだけ長く自立した生活を送れるようにするには、どうすればいいのか。認知症の進行を遅らせる生活を送ることはもちろん大切だが、同時に、見落としがちな足の健康を管理し、足病変や転倒の予防を行うことが大切である。

 具体的にはどのようなことに留意すればいいのだろうか。

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