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定時退社で“イクメン”満喫【東証宮原社長】

第2回 生活が充実してこその仕事、オン・オフ切り替え大切に

 宮原幸一郎=東京証券取引所社長

 一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム、今月お話を伺っているのは、東京証券取引所の宮原幸一郎社長。宮原社長はかねてからオン・オフの切り替えを大切にして、仕事と生活の充実を図り、心身の健康につなげているそう。第2回は、元祖“イクメン”を自負する宮原社長のワークライフバランスの考え方や、現在の健康習慣などについて聞いた。

 「ワークライフバランス」という考え方が広まって、国や企業を挙げて働き方改革などの施策や取り組みが進められるようになっています。私自身はかねてから、オンとオフのメリハリをつけるよう意識してきました。

 まだ30代の若手だった頃から、基本的に残業はせず、定時で退社していました。当時は小さな子どもが3人いましたから、家族との時間を大切にしたかったのです。今でいう“イクメン”の先駆けですね。

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 ただ、定時で退社するために、始業の2時間前に出社していました。それも残業のうちかもしれませんが、7時前に出社すれば通勤ラッシュのストレスを避けられますし、まだ誰もいない静かなオフィスでは仕事も効率的にはかどります。そういうスタイルを確立していたので、残業をせずに定時で帰ることについて、周囲から何か言われるようなことはありませんでした。認めてくれていた…というか、諦められていたのかもしれません(笑)。

平日の夕方でも子どものクラブ活動に参加

 オンとオフの切り替えについては、30代の終わりに米国ニューヨークに駐在した際、さらにその思いを強くしました。まだ小学生だった子どもたちは現地の学校に通い、その地域のバスケットボールやアメリカンフットボールのクラブチームにも所属。そこでは平日の夕方5時から練習があるようなときも、父親をはじめ家族みんなが一緒に参加して応援していました。

 私も同じように、子どもたちのチームで練習があるときは、仕事を早めに切り上げて駆けつけていたのですが、父親たちに「日本から転勤で来た」という話をすると、彼らには「転勤」ということがあまり理解できないようでした。というのも、彼らはその地域での暮らしがベースにあって、そこから通える範囲で仕事をしているんですね。

 もし会社から転勤の話をされたら、「また自宅から通える仕事を探すまでだ」、というのが彼らの基本的な考え方なのです。私が「日本には『単身赴任』というスタイルもあるよ」と話すと、「そんなことをして、何のために人生を生きているんだ?」と驚かれ、本当に家族との絆を大切にしているんだなと感じました。ただ、その割には、米国の離婚率が高いのは不思議に思いますけどね(笑)。

 そうしたニューヨーク駐在の経験から、より一層、家族との時間を大切にするようになり、自然と絆も深まったように思います。やはり、家族との時間、自身の生活が充実してこそ、仕事にも安心して取り組めるものですよね。

 この連載でこれまでに登場された経営者の方々は、実にさまざまな健康習慣をお持ちで、ごく当たり前のことしかしていない私には、依頼をいただいたとき、戸惑いがありました。そこで、妻にも「今度こんなインタビューを受けるんだけど…」と話したところ、「心の健康という観点では、あなたは昔からオンとオフのメリハリだけはしっかりしていたわね」「育児も満喫していたわよね」と言われて、こんなお話をさせていただきました(笑)。

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