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現役エージシューターの「山あり、谷あり、ゴルフあり!」

82歳エージシューター、肩の手術をやめた理由は「前よりスコアがいいから」

第1回 「ゴルフがなかったら“生ける屍”になっていた」【赤﨑俊美さん】

 高橋健二=ノンフィクションライター

ゴルフを嗜む者であれば、生涯に一度は経験したいことが3つあるとされる。「ホールインワン」「アルバトロス」、そして「エージシュート」だ。偶然などによってもたらされることが多いホールインワンなどとは違い、自分の年齢よりも少ない数字のスコアで回るエージシュートは、真の腕前だとされる勲章の1つ。そして何より、70代、80代、90代…でゴルフができる「元気の証」でもある。ゴルフを始めた経緯も、その人生も様々。現役エージシューターから学ぶ「体のこと」「ゴルフの極意」をお届けする。

肩の腱板断裂のままラウンド100回超、平均スコアは77.83!

もう私はダメ。ゴルフができんようになったがよ~

 受話器の向こうから特徴のある鹿児島弁の悲痛な声が聞こえてきた。今年の1月のことである。電話の相手は鹿児島市内に住む赤﨑俊美さん。82歳のエージシューターだ。

筆者「どうしたんですか?」

赤﨑さん「左肩の腱板を断裂してしまって腕が上がらないのよ」

筆者「腱板の断裂って、じゃあゴルフはできないのですか」

赤﨑さん「できないことはないけど、まったく飛ばなくなったから、今までのようなゴルフはもう無理です」

 赤﨑さんは左肩の腱板を完全に断裂するという大けがをし、腕がほとんど上がらない状態だというのである。

 ところが、その10カ月後の10月に再会した赤﨑さんは、電話で会話をしたときの悲壮な声とは打って代わり、別人のように生き生きとして普段通りにラウンドしていた。陽に焼けた顔は血色がよく、弾けるような笑顔から白い歯がこぼれた。

南国の雰囲気漂うホームコースで晴れやかな笑顔をみせる赤﨑さん。この後、とても腱板が断裂しているとは思えないゴルフを披露してくれた。
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 「腕は今も真っすぐ上に上がらないし、高い所にあるものを取ろうとして腕を肩よりも上に伸ばすと痛みが走ります。でも意外なことにゴルフのスイングは何とかできる。そんな状態なのに、いまゴルフは絶好調。今年の7月から9月までにラウンドしたすべてでエージシュートを達成しました。達成率10割です!」(赤﨑さん)

 ちなみに7月は11ラウンドして、平均スコアは77.19、8月は13ラウンドで同77.39、9月は15ラウンドで同77.19だったという。ついでにいえば、今年10月までのラウンド数は134回で、平均スコアは77.83。腱板を断裂するという大けがをしたにもかかわらず、数字上はまったくブランクを感じさせない堂々たるもの。

 この10カ月間、赤﨑さんはどんな治療をしていたのだろうか。

6年前には左肩の腱板も部分断裂、だましだましゴルフを

 赤﨑さんは、じつは5年前にも肩の腱板を断裂している。そのときは右肩だった。庭に植えたビワの実を採ろうとして木に登り、途中でバランスを崩して転落。思わず体をかばって右手をついた瞬間、右肩に激痛が走る。一瞬、骨折したのではないか思い、すぐ市民病院に駆け込んでレントゲン検査を受けたが、幸いなことに骨折は免れた。しかし、肩を動かすと激痛が走り、腕が上がらない。医師は「肩腱板断裂」(*1)と診断した。

 「手術しないといけませんか」

 赤﨑さんがこう聞くと、医師は「いや、歳だから手術をしても完治は難しい。時間が経てば痛みが取れて動かせるようになるから、このまま放っておきましょう」といって、痛み止めの薬を処方したのだった。

 「このときは部分断裂で済みましたが、断裂した直後は痛くて腕を上げることができなかった。痛み止めの薬を服用し、注射を打ちながら、だましだましゴルフをしていたら、3カ月後にはドライバーも普通に打てるようになりました」(赤﨑さん)

(*1)腱板とは肩関節を安定して動かすために重要なもので、40歳頃からの老化による強度低下で断裂の危険性が増す。仕事で重いものを持ったり、転落や転倒で肩を打撲したりすることがきっかけで断裂するケースのほか、日常生活の動作の中で自然に断裂することもある。右肩の腱板が断裂することが多いことから、肩の酷使が原因とされる説もある。肩の痛みが出る症状に「四十肩」「五十肩」があるが、腱板断裂は腕を上げようと思えば上げられる。ただし、腕に力が入りにくく、腕を上げるときに痛みを伴い、夜間の睡眠中に疼(とう)痛に見舞われるのが特徴でもある。
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