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がんに負けない患者力

医師が宣告する「余命」の7割は当たらない

進歩した抗がん剤治療では体がボロボロになることはない

 勝俣範之=日本医科大学腫瘍内科教授

がんの病状は個人差が大きく、治療法が複数あり、さらに患者一人ひとりの価値観も異なります。がんと診断された直後から、患者は自分の病気を理解し、さまざまな情報を取捨選択する人生が始まります。自身も肺がん患者である、日経BP社の山岡鉄也が、がんと向き合った人々に話を聞き、後悔しない人生を送るためのヒントを紹介していきます。

 近年、がんの治療を否定する本が売れています。よく聞かれる「手術は命を縮める」「抗がん剤は効かない」というフレーズは、本当なのでしょうか。一方、がんの診断とともに告げられることがある「余命」。この信ぴょう性とは? 前回(「正しいがん治療情報を掲載しているサイトは5割以下」)に引き続き、『医療否定本の嘘』(扶桑社)を2015年6月に上梓した、日本医科大学腫瘍内科の勝俣範之さんに「化学療法(抗がん剤治療)」と「余命」について聞きました。

抗がん剤は劇薬で、腫瘍内科医が処方すべき

勝俣先生は腫瘍内科医ですよね。腫瘍内科とはどのようなことを専門にしているのですか。

勝俣 腫瘍内科とは、部位に関係なく、全身にできたがんを包括的に治療する診療科です。がんの手術は行いませんが、抗がん剤のスペシャリストとしてがん治療に携わっています。

 全身のがんを診ると言いましたが、日本では、「消化器科」「呼吸器科」といった具合に臓器別の診療科の壁が厚いので、腫瘍内科医といっても「肺がんしか診られません」「消化器がんしか診られません」という医師が結構多いのが現実です。全身をしっかり診られる腫瘍内科医が今後、増えてくることを願っています。

そうなんですね。抗がん剤に対する誤解は多いのでしょうか。

勝俣 はい、多いと思います。医師の中にも「抗がん剤は治療効果がなく、体がボロボロになる薬」と誤解している人がいます。以前と比べて、いまは抗がん剤の副作用による吐き気や症状をコントロールできる薬の使い方が確立され、治療にともなう負担が軽くなりました。通院での治療も可能ですから、仕事をしたり旅行へ行ったり、趣味を楽しんだりすることができます。

そうですね。私も通院しながら仕事も続けています。ところで、抗がん剤とはどのように定義されているのですか。

勝俣 抗がん剤とは、がん細胞を殺す薬です。医師が処方する薬のなかでは、副作用で亡くなる可能性もあるほど、最も扱いが難しい劇薬です。

 その効果、副作用は個人差がとても大きく、同じ臓器のがんでも患者さん一人ひとりの体の状態によって、かなり異なる経過をたどります。例えば、「転移の有無」「転移によって、体に症状が出ているか」「全身状態はいいか」「普通の生活ができているか」「肝臓や腎臓の働きはいいか」「白血球などの血液の数値は正常か」など、要因が複雑に絡み合うからです。

 このため、「抗がん剤は専門医が処方すべき」だと思います。専門医であれば、抗がん剤の効果はもちろん、副作用についても勉強していますから、副作用の不快な症状を上手にマネジメントしながら、薬の効果を十分に発揮させることが可能です。

 ところが、多くの病院で、抗がん剤治療を専門にしていない医師が抗がん剤治療を行っています。そのような治療を受けている患者さんから、「抗がん剤治療で苦しんだ」という声が聞こえてくるわけです。先ほどもお話しした通り、腫瘍内科医の数がまだまだ少ないという背景もあるのですが…。

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