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正しいがん治療情報を掲載しているサイトは5割以下

がん患者が心動かされるアヤシイ治療法の特徴とは?

 勝俣範之=日本医科大学腫瘍内科教授

がんの病状は個人差が大きく、治療法が複数あり、さらに患者一人ひとりの価値観も異なります。がんと診断された直後から、患者は自分の病気を理解し、さまざまな情報を取捨選択する人生が始まります。自身も肺がん患者である、日経BP社の山岡鉄也が、がんと向き合った人々に話を聞き、後悔しない人生を送るためのヒントを紹介していきます。

 今、がんに関する情報が巷にあふれています。がんについて知ろうとすると、書籍やインターネットなどで目にする治療法もその一つ。中には、科学的根拠に乏しい治療法や医療保険が利かない高額な治療法なども含まれています。

 そういった治療法に安易に飛びつかないよう警鐘を鳴らすべく『医療否定本の嘘』(扶桑社)を2015年6月に上梓した、日本医科大学腫瘍内科の勝俣範之さんは、このような治療法を「アヤシイ治療法」と呼び、「正しい情報にアクセスしてほしい」と話します。今回はがんの「アヤシイ治療法の見分け方」について、勝俣さんと考えていきます。

「肺がん治療の検索上位50サイトのうち、1割は広告」

がん患者がインターネットで「がん」「治療」などのキーワードで検索すると、○○療法などと名乗る本当にいろいろな情報がヒットしてきて、良し悪しを見極めるのが難しいという声をよく聞きます。

勝俣範之(かつまた のりゆき)さん

勝俣 そうですね。ある研究論文(*1)では、「グーグルとヤフーのキーワード検索の欄に『肺がん』と入れて検索したら、上位50番目までに表示された結果の内容のうち、正しい治療法を紹介していたサイトは5割以下」という結果が出ました。全体の約1割は広告だったそうです。

 この研究の「正しい治療法」とは「標準治療」を意味します。標準治療とは、科学的・医学的に根拠のある治療法のなかから選ばれた、現時点での最善で最良の治療のことです。

「正しい治療法」以外を掲載しているサイトには、どのような情報が載っているのですか。

勝俣 一言で言えば、医療保険が適用されていない治療法(自由診療)です。私はこうした治療法すべてを「アヤシイ情報」と判断しています。医療保険を適用していないということは、つまり、治療効果や安全性の評価が定まっていないということですから。サイトの運営主体には、がん患者を食い物にする悪徳事業者・クリニックも含まれています。

 誤解されやすいのは、「最新の」「最先端の」という枕詞の付く治療法です。例えば、新しい種類の抗がん剤、粒子線や陽子線の放射線治療、がんワクチンなどは、まだ科学的・医学的エビデンスが十分ではありません。「先進医療」も、基本的にはすべて研究段階のもので有効性は証明されていません。

 それらの治療法は、今後、人間を対象とした臨床試験の結果から、標準治療に入っていく可能性があるというものです。このため、標準治療以外の治療法に安易に飛びつくことは控えたほうがよいように思います。

 また、いま、厚生労働省の検討会で「患者申出療養制度(*2)」について話し合われていますが、これは「患者が病院に希望を申し出れば、どんな治療でも受けられる」という制度ではありません。海外では有効性のあるエビデンスのもとで承認された治療法や医薬品でも、日本で承認されていない場合には必ず理由があります。このため、こちらもよく考えてもらうほうがいいでしょう。

 先ほども話した通り、特にインターネット上の情報は玉石混交です。私はこれまでに、多くの患者さんが「アヤシイ情報」の被害に遭っているのを目の当たりにしています。

*1 国立がん研究センター 後藤悌 J Thorac Oncol.2009;4:829.
*2 患者からの要望があった場合、国内未承認の医薬品・医療機器などを用いた保険外の診療と保険診療との併用を可能にする制度。

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