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がんに負けない患者力

田部井淳子「山での遭難に比べたら、がんの治療の方が恵まれている」

登山で培った、困難を受け止める力

 田部井淳子=登山家

がんの病状は個人差が大きく、治療法が複数あり、さらに患者一人ひとりの価値観も異なります。がんと診断された直後から、患者は自分の病気を理解し、さまざまな情報を取捨選択する人生が始まります。自身も肺がん患者である、日経BP社の山岡鉄也が、がんに向き合った人々に話を聞き、後悔しない人生を送るためのヒントを紹介していきます。

 登山家の田部井淳子さんは、2007年の夏、早期乳がんが見つかり、乳房温存手術を受けました。その後、2012年にもがん性腹膜炎を発症。登山で雪崩に遭遇し、命を落としかけた経験から、田部井さんは、まず現状を受け止めること、前向きに楽しんで生きていくこと、周りに感謝することを大切にするようになりました。その思いはがんになってますます強まっていったといいます。

「3人に1人の“くじ”が当たったのよ。宝くじのような、当たってうれしい“くじ”じゃなくて残念ネ」

これまでにがんには2回かかられています。1度目の乳がんはどういったきっかけで見つかったのですか。

田部井淳子さん

田部井 2007年の夏、アルメニアのアラガツ山(標高4090m)に登ったときでした。氷河を登るときは日焼け止めを塗りますが、その日はシャワーを浴びることができなかったので、コットンで首から胸にかけて体をふいていました。そのとき、両乳房の下方あたりに、小さなふくらみがあることに気付いたのです。タオルでふいていたら、気付かなかったかもしれないほど小さなものでした。

 下山した後、ホテルで鏡を見たところ、やはり、ふくらみがありました。私は心配性なので、帰国後数日中にかかりつけ医へ。医師から「大学病院の乳腺外科で診てもらったほうがいい」と言われ、その時初めて乳腺専門の診療科があることを知りました。

 乳腺外科の外来で、「取ってしまった方がいいですね」と勧められ、すぐ入院することになりました。乳房温存手術を受けたところ、幸いリンパ節にも他の臓器にも転移は見つかりませんでした。

 実は、乳がんが見つかったとき、私より主人の方が驚いていて、「エッ、なんで?」と納得のいかない様子でした。でも、私は「そうなのね。来たのね」「3人に1人の“くじ”が当たったのよ。宝くじのような、当たってうれしい“くじ”じゃなくて残念ネ」という気持ちでした。

 手術の10日後にはバルト三国のツアーで山に登りました。抜糸前でしたが、ツアーの代表者でしたし、初めてのバルト三国だったので、どうしても行きたかったのです。医師も山好きだったので、「ちゃんと、消毒してくださいね」と消毒セットを渡されて、お許しを得ました。山では何の問題もなかったですよ。

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