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ワクチン接種、大人も忘れず 高齢者は肺炎など用心

妊娠前には風疹 おたふくかぜは2回接種

 日本経済新聞電子版

感染症を防ぐワクチン接種は乳幼児向けと思いがちだが、大人が受けておきたいワクチンがいくつかある。年齢やライフスタイルに応じて、必要なワクチンと注意点をまとめた。

(c)Alexey Poprotsky-123RF

 晩秋を過ぎると、幅広い年齢層の人がインフルエンザワクチンを受け始める。特に高齢者は受けた方がいい。「高齢者はひとたび発症すると、抵抗力の低下などから重症になりやすい」と川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は話す。

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 その際、肺炎球菌ワクチンも併せて接種しておきたい。インフルエンザに感染すると、その後に肺炎球菌による肺炎を起こしやすいからだ。

 65歳以上の場合、インフルエンザワクチンは法律が定める「定期接種」の対象で、費用が助成されることがある。肺炎球菌ワクチンは現在、65歳以上で年度中(4月から翌年3月末)に65歳、70歳、75歳など5歳刻みの対象年齢になる人(100歳まで)は定期接種になる。それ以外の年齢だと「任意接種」になり、費用は自己負担だ。

 妊娠を希望する人とその家族が事前にぜひ受けておきたいのが、風疹ワクチンだ。

 風疹は30代前半までの女性や50代前半までの男性に多い。妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる子どもの耳が聞こえにくい、目が見えにくいといった「先天性風疹症候群」にかかる可能性が高くなる。

 「特に20~30代の人は風疹ワクチンの接種率が低い」と北里生命科学研究所(東京・港)の中山哲夫特任教授は警鐘を鳴らす。かつて女子中学生限定で接種を実施していた時期があり、1979年4月以前に生まれた男性は接種していない人が多い。「この世代は麻疹(はしか)の接種率も同様に低いことから、一緒に予防できる混合(MR)ワクチンがお薦め」という。

 最近関心を集めているのが、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)(予防のためのムンプスワクチンだ。おたふくかぜが原因で難聴(ムンプス難聴)になることがある。日本耳鼻咽喉科学会(東京・港)が今年9月に発表した大規模調査で、2015年からの2年間のムンプス難聴患者が336人に達し、うち8割近くは日常生活に支障をきたすレベルの難聴だったことがわかった。

 「任意接種のムンプスワクチンを受けていない人は、10代後半から増える」と中山特任教授。調査では30代のムンプス難聴も多かった。ムンプスや風疹、麻疹のワクチンは「2回接種で効果が高まるので、未接種の人はもちろん、1回受けた人も接種したい」。

 水痘(水ぼうそう)ワクチンも子育て世代が受けたいワクチンだ。大人が感染すると重症化しやすく、肺炎や脳炎などを合併することもある。

 50歳以上の人にも水痘ワクチンは有効だ。子ども時代に水ぼうそうにかかると、免疫はできるがウイルスが脳や脊髄に潜んだままになる。加齢に伴い水痘に対する抗体が減ると、過労などで帯状疱疹(ほうしん)を引き起こす。

 「50歳以上の女性が発症しやすく、治療が遅れると神経痛が残ることが多く、マヒを起こすこともある。発症と重症化を防ぐためにワクチンが有効」とまりこの皮フ科(横浜市)の本田まりこ院長は話す。

 乳幼児期に受けたワクチン接種の記録は、母子手帳で確認できる。抗体検査で調べることもできるが、別途費用がかかる。過去に接種を受けたかどうか分からない場合でも、接種して差し支えないという。

 ワクチン接種の副反応も気になるところだ。「強いアレルギー反応や接種後の高熱が出たことのある人は注意が必要。医師と相談してほしい」と岡部所長は助言する。

(ライター 武田京子)

[NIKKEIプラス1 2017年11月18日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「健康づくり 」からの転載です。