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汗の季節に気になるニキビ 原因は顔のダニかも…

目のトラブルも 洗顔・塗り薬で抑制

 日本経済新聞電子版

高温多湿の時期は、アレルギーの原因になるチリダニが増える。それとは別に、季節を問わず肌に生息するダニがいる。特に、顔にいるダニが増えすぎると、様々なトラブルを招くという。実態と対処法を探った。

写真はイメージ=(c)PaylessImages-123RF

 「人間の皮膚に寄生するダニのひとつが『ニキビダニ』」と話すのは、兵庫医科大学(兵庫県西宮市)皮膚科の夏秋優准教授。主に顔の毛穴に生息し、手足にはほとんど見られないため「顔ダニ」とも呼ばれる。

 透明で大きさは0.2~0.3ミリメートル。肉眼での確認は難しい。皮脂を栄養にしているため、皮脂分泌の盛んなおでこや鼻の周辺に多い。誰の皮膚でも見つかるようだ。

 夏秋准教授によると「症状が悪化して治りにくいニキビに、ニキビダニの増殖がみられる」。ニキビダニが毛穴に生息するだけでニキビができるわけではないが、免疫力が低下して肌の状態が悪化すると、過剰に増えてニキビの原因になることがある。

 ニキビの多くは、皮脂分泌が乱れて毛穴が詰まり、アクネ菌が増えることでできる。ホルモンバランスが不安定な思春期や、生活のリズムが乱れて皮脂が過剰に分泌する成人にも見られる。

 通常のニキビ治療で改善しないなら、ニキビダニの異常増殖を疑おう。濃いメークで蓄積した汚れや、副腎皮質ホルモンの長期間の使用などでもニキビダニは増えやすい。

 治療は洗顔や塗り薬が中心。殺ダニ効果のあるクロタミトン外用薬や、毛穴を広げて乾燥させる作用のあるイオウ外用薬などで、増えすぎたニキビダニを抑える。

 「イオウ外用薬は独特な刺激臭があり、肌を乾燥させる。アトピー性皮膚炎などがある敏感肌には、使用を控えて」(夏秋准教授)。保険適用外だが、殺ダニ効果のあるメトロニダゾールを使うこともある。

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 まつげの毛根周辺で見つかるニキビダニ、通称「まつげダニ」が増えすぎて起きる目のトラブルもある。慶応義塾大学医学部(東京・新宿)眼科の川島素子特任講師によると「なかなか治らないまぶたの炎症とまつげダニの関連が、徐々に解明されている」。男女問わず、加齢と共にトラブルが増えるという。

 「まつげの毛根に乾いたフケや目やにがたまったり、まぶたの縁に炎症が起きたりしている目に、まつげダニの異常増殖がみられることがある」(川島特任講師)。毛根が弱り、まつげが抜けやすくなるのも特徴だ。

 主な症状は目の乾きや疲れ、目がゴロゴロする違和感、目が重く不快感を感じるといったドライアイの症状。ものもらいになりやすくなるほか、アレルギー性結膜炎を発症することもある。

 まぶたの縁には、涙が蒸発しないように油を分泌する部位のマイボーム腺が並んでいる。「加齢でスムーズにまばたきができなくなったり、マイボーム腺が出す油の性質が悪くなったりすることで、まつげダニが異常に増えて、目の炎症などのトラブルを招くのではないか」と川島特任講師は分析する。

 予防も治療も、まぶたを清潔に保つことにつきる。目薬は効かない。1日5分、眼の周辺を温めよう。マイボーム腺で詰まった油を溶かし、まぶたの血流を改善する。続いてまつげの根元周りを指の腹でやさしくマッサージするように洗うと、汚れが取れやすくなる。

 顔にいるダニを怖がる必要はない。「いること自体は当たり前なので、神経質にならなくてよい」(夏秋准教授)。肌や目にトラブルが起きたときは、ニキビダニが異常に増えている可能性を念頭に置いて、上手に対応することが大切だ。

(ライター 結城未来)

[NIKKEIプラス1 2018年6月16日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「健康づくり」からの転載です。