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寝過ぎ・眠れぬ…1700万人 睡眠障害、自分で簡易診断

 日本経済新聞電子版

夜間に眠れなかったり日中に寝入ったりする睡眠障害で治療が必要な人は1700万人にのぼるといわれる。これまでは医師によって診断や治療にばらつきなどがあったが、国が指針を出すなど科学的なデータに基づいた診断や治療ができるようになってきた。数は少ないが睡眠外来を設ける医療機関も出てきた。関連する症状に思い当たる人は、軽視せずに診断を受けることが大切だ。

 睡眠障害には様々な症状がある。2014年に公表された国際分類では最も代表的な不眠症をはじめ大きく7つのグループがあり、約100種類もの症状を掲げている。国立精神・神経医療研究センターの三島和夫部長は「なかなか寝付けないとか途中で目覚めてしまうというだけでは睡眠障害とはいえない。日中の生活に何か障害をもたらしているかどうかが大切な基準」と説明する。

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 日本で不眠の症状を訴える20歳以上の人は、ざっと3500万人と推定されている。このうち治療が必要な人は軽度の睡眠障害の約1000万人、中等度以上の約700万人とみられている。

 生活習慣の乱れからしっかりした睡眠が取れなくなっているのか、治療が必要な睡眠障害なのかはなかなか分かりにくい。全国の約100カ所の病院やクリニックが睡眠医療の専門的な窓口を設けている。三島部長は「自分の状態を正しく知ることが第一歩」と、疑わしい人は適切な診断を受けるよう助言する。

 しかし窓口数は少なく大都市に集中する。同センターは睡眠研究で実績ある各地の大学などと協力、インターネットを利用して自分で睡眠障害を簡易診断できる「睡眠医療プラットフォーム」を14年に開発した。

 頻度の高い約20件の睡眠障害に対応し、実際の患者による検証で高い診断精度を確かめた。登録すればより詳細な診断も可能だ。「世界にも例のないシステム」(三島部長)で、すでに登録者は1000人を超した。


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 昼夜のリズムを刻む地球で進化してきた私たちにとって、睡眠は欠かせない。活動した体を休め新たなエネルギーを蓄えるだけでなく、学習した情報を整理して記憶する。経済的、社会的な生活を送る基盤といえる。大切さは昔から指摘されてきたが、根拠は漠然としていた。

 厚生労働省は14年「健康づくりのための睡眠指針」をまとめ、大きな転換点となった。模範的な睡眠時間は8時間といわれてきたが、個人や年代で幅があり、6~8時間であれば問題はないという調査結果を盛り込み、睡眠障害を放置すると肥満や高血圧など生活習慣病のリスクを高めると明言した。指針作りの検討会の座長を務めた内山真・日本大学教授は「身体の休養だけでなく心の健康にもつながる。科学的な根拠に基づいた指針を出せた」と話す。他の分野の医師や保健師らの手助けになるように参考文献を掲げた。

 睡眠について多くの人に知ってもらいたい項目として内山教授は「加齢に伴う睡眠の変化」をあげる。

 米スタンフォード大学などのグループが04年、睡眠時間を調べた世界の65本の論文をまとめて分析した結果を発表した。25歳で平均7時間だった睡眠時間は45歳で6.4時間、65歳で6時間に減っていた。「布団に入ってもすぐに眠れない」や「朝早くに目覚めてしまう」といった症状は高齢者ほど多くなる。


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