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大動脈瘤、潜むリスク 自覚症状なく突然破裂・解離

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心臓から全身に血液を送る役割を担う大動脈は、全身の血管の中で最も太い。この血管に気付かない間にできた瘤(こぶ)が破裂したり、血管が裂けたりすると、高い確率で死に至る。11月に亡くなった俳優の阿藤快さんも大動脈瘤(りゅう)破裂が原因だった。自覚症状がほとんどなく進行する病気なので、健康診断などで瘤を見つけるなどして、予防を目指したい。

画像検査で発見も/血管内治療が普及

 大動脈は胸部で直径が3~3.5センチメートル、腹部で2~2.5センチある。血管は内側から内膜、中膜、外膜の3層構造になっており、高い圧力がかかっても簡単に破れないようにできている。

 しかし、動脈硬化などが原因となって大動脈の一部が瘤状にふくらんでしまうことがある。これが大動脈瘤だ。また、血管を構成する内膜が穴が開き、そこに血液が流れ込んで中膜がはがれてしまうのが大動脈解離だ。解離性大動脈瘤と呼ぶこともある。

 こうした現象はいずれも目立った自覚症状がなく進む。このため「サイレントキラー」と呼ばれる。東京医科大学の荻野均教授は「大動脈瘤の主な原因は高血圧と動脈硬化だ」と指摘する。血管壁がもろくなるなどした結果、血液の流れによる圧力の影響で膜に傷がつき、瘤になると考えられている。動脈硬化は年齢とともに進むため高齢男性などで発症しやすい。

 ただ誰でも起こる可能性がある。「動脈硬化が進んだ高齢者より血管が硬くなっていない若年層の方が解離が発症すると重症になることが多い」(荻野教授)。たとえばこんなケースだ。

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 40代の会社員Aさんは資格取得に向けて寝不足をおして勉強をしながら、年末の業務を慌ただしくこなしていた。仕事で重い荷物を持った際に胸に強い痛みを覚え、あっという間に気を失った。同僚が発見して救急車を呼び、病院に運んだ。

 最初は心筋梗塞を疑ったが、大動脈解離であることが判明。簡易型の人工心肺装置を取り付けて緊急手術を実施、血液の流れを変えるバイパス手術を実施した。心停止した心臓が動くまでに回復したが、残念ながら1週間後に亡くなったという。

 Aさんは隠れ高血圧の可能性はあったものの、肥満ではなかった。「血管が軟らかいことが逆に災いするケースがある。解離がいったん始まると裂ける部分が大きくなってしまう」と荻野教授は説明する。

 大動脈解離と関係が深い病気もある。その一つが身長が高く、手足が長いマルファン症候群。約5000人に1人の割合でいるとされる同症候群は4分の3が遺伝が関係する家族性で、残りが突然変異によるものだ。同症候群の人でせきが止まらないというのでコンピューター断層撮影装置(CT)を使って調べたところ、大動脈解離が見つかった例もあるという。大動脈瘤もできやすい。

 大動脈の病気は「運動中に起こりやすい」と指摘するのは自治医科大学付属さいたま医療センターの安達秀雄副センター長だ。運動時は血圧の変動が平常時よりも大きくなる。こうした点が引き金となっているとみられる。

 中高年が親しむスポーツの代表例であるゴルフのプレー中に起きるケースなどが目立つという。「明確な根拠はないが、クラブを振るときの体をひねる動きによって血圧が上がるためではないか」と安達副センター長は推測している。

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