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「絶対に成果が出るウォーキング」はここが違う!

カギは「歩数」や「時間」ではなく「運動強度」だった

 日経Gooday編集部

 皆さん、明けましておめでとうございます。新しい年を迎え、何か運動を始めようと思っている人や、年末年始の運動不足を解消したい、と思っている人も多いかもしれませんね。そんなとき、もっとも手軽に始められるのが「ウォーキング」です。

 これまでほとんど体を動かしていなかった人であれば、散歩程度のウォーキングでもある程度のカロリー消費、血行促進などの効果が期待できます。ただし、健康のために体力を増強しよう、脂肪を落とそう、という目的であれば、ただ漫然と歩いていたのでは成果はなかなか得られません

 そこで今回は、2017年に大好評をいただいた、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さん監修による特集「絶対に成果が出るウォーキング」(執筆:松尾直俊=フィットネスライター)のエッセンスをご紹介します。

運動強度の足りないウォーキングはいくらやっても意味がない

 「私は趣味でランニングをしますが、その最中にウォーキングをしている人にも多く出会います。そのたびに『ああ、アドバイスしたい!』という衝動にかられることがあるんです(笑)。なぜかというと、ほとんどの人の歩き方が、運動強度が低いのです」。そう話す中野さん。

 中野さんが「運動効果が期待できない」と話すウォーキングの典型例は、「猫背気味で下を向きながら、小股でちょこちょこ歩く」。また、「仲間とおしゃべりをしながら、買い物や散歩の時と変わらない速度で歩く」もNGです。「そうした歩き方だと、残念ながら、いくら歩いても、何年続けても、運動という意味での効果はほとんど期待できません」と中野さん。

図1 運動効果が期待できないウォーキングの典型例
[画像のクリックで拡大表示]

 どんな運動でも、脂肪を燃焼させたり、持久力を高めるといった効果を得るためには、ある程度の「強度」が必要。ウォーキングを「運動」として行うには、「お散歩感覚」を捨てて、完全に意識を切り替える必要がある、と中野さんは指摘します。

 「ウォーキングでは、多くの人が距離や時間、歩数を指標に、『今日はよく歩いた』という達成感を得ています。ですが、これらは運動強度とは異なります」(中野さん)。運動強度は、要はその運動が「どのくらいきついか」という度合いのこと。ウォーキングにおいては、歩幅が広く、速度が速いほど、また、地面の傾斜が高い(上り坂)ほど、多くの筋肉が使われ、運動強度は高まります

 「ウォーキングの運動強度を高めるための基本は、歩幅(ストライド)を広めにとることです。ストライドが稼げないと、いくら足を速く動かしたとしても、出せる速度には限界があります。また、使われる筋肉も少なくなるので、下半身の筋力強化の効果もなかなか得られません。歩幅を大きくするためには、できるだけ顔を上げて、視野を広く、遠くを見るように心がけましょう」(中野さん)

 「広めの歩幅」の目安は「身長の45~50%」。身長170cmの人であれば、目標歩幅は76.5~85cmということになります。一度、自分の歩幅を測ってみて、「今よりどのくらい広げればいいか」を感覚的につかむようにしましょう。

 ウォーキングの運動強度と必要な歩幅について、より詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

◆「運動強度」の足りないウォーキングはいくらやっても意味がなかった!

ウォーキングで脂肪燃焼を狙うなら、一度は心拍数を測るべし

 「歩幅を広げて歩行速度が上がってくると、息も上がってきますよね。その状態になると、下肢の筋肉だけでなく、呼吸に関連する筋肉も使われます。ほかに腕や体幹を支える筋肉群といった付随する部位も鍛えられて、初めてスポーツとしてのウォーキングが成立します」(中野さん)。

脈拍は1分間測らなくても、10秒測って6倍、15秒測って4倍などでOK。(C)Manuel Faba Ortega-123rf

 では、自分のウォーキングの運動強度が適切かどうかを客観的に知るには、どうすればいいのでしょうか。中野さんは、「心拍数を測ること」を勧めます。

 「ウォーキングで脂肪を減らそう、あるいは体力を高めようと思うなら、かなり意識して運動強度を上げなければ、効果は得られません。少しきついと感じるペースで歩いているつもりなのに、実は、強度が不足していて、いくら歩いてもちっとも痩せない、ということはよくあります。その客観的な指標として、心拍数は非常に有効なのです」。

 最近は心拍数を測れるスポーツウォッチも多数発売されていますが、そうしたデバイスわざわざ購入しなくても、手首の脈拍をカウントするだけでOK。歩いた直後や、信号で止まった時などのタイミングで、10秒測って6倍する、あるいは15秒計測して4倍するなどの方法で、1分間の脈拍数を計算すればいいのです。

 どのくらいの脈拍数(心拍数)であれば適切な運動強度なのかを知るためには「カルボーネン法」という計算式がお勧めです。「カルボーネン法」は、「年齢」、「安静時心拍数」(基本的に起床直後に計測する)、「目標運動強度」の3つの要素から目標心拍数を計算するもので、計算式は次ページの通りです。

◆カルボーネン法による『目標心拍数』の計算式
目標心拍数=(最大心拍数〔220-年齢〕-安静時心拍数)×目標運動強度(%)+安静時心拍数

 持久力向上と脂肪燃焼を目的とする場合、「目標運動強度」は、60~80%に設定します。仮に50歳で、安静時心拍数が80回/分の人が、運動強度が60%のウォーキングをしたいと思ったら、目標心拍数は(220-50-80)×0.6+80=134となります。同じ年齢でも安静時心拍数が低く、60回/分の人であれば、126を目指して歩きましょう。

 「脈を数えるなんて面倒だ、と感じている人も、一度は目標心拍数を計算して、その範囲を維持するように歩いてみてください。『今までのウォーキングでは全然運動強度が足りていなかった!』ということが実感でき、意識改革につながるはずです」(中野さん)

 「目標心拍数」についてのより詳しい解説と、便利な自動計算機能を利用したい方は、以下の記事をご覧ください。

◆ウォーキングで脂肪燃焼を狙うなら、一度は「心拍数」を測るべし!

楽に感じられるようになったら、さらに運動強度を上げよう

楽に感じられるようになったら、レベルアップしていこう。(C)maridav-123rf

 「歩幅を広くとれる」「運動強度を目標心拍数の範囲に入れられる」ウォーキングができるようになると、普段の生活の中で「体が軽く感じるようになった」、「体脂肪が減った」など、運動前と比べて体が変化してきたことを実感できるはず。そうなったら、さらなる工夫で運動強度を上げていきましょう。

 何も運動をしていない状態からウォーキングを始めると、最初の頃は散歩程度のゆっくりした歩き方でも体の変化が感じられます。ところが、最初の刺激が楽に感じられるようになってもなお、同じレベルの刺激を与え続けていても、それ以上に体力は向上しません。運動としてウォーキングに取り組むのであれば、体力レベルが上がるにしたがって落ちてくる心拍数を、目標心拍数に入り続けるように運動の負荷を上げていく必要があるのです。そのためには、同じコースでスピードを上げ、「歩く時間」を短くすることが手っ取り早い方法です。

 「コツは、“少しだけ頑張れば達成できそうな目標”を設定することです。急に30秒や1分短縮しようと考えなくてもいいので、10秒でも20秒でも縮めた時点で心拍数を図り、そこで目標心拍数に達しているかどうかをチェックしていけばいいのです」(中野さん)。

 ウォーキングの負荷を上げる工夫や、自分のウォーキングの実力をチェックする方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

◆運動としてのウォーキングは「楽になったら負荷を上げる」が鉄則!

 同じ距離を短い時間で歩けるようになったら、ようやく「距離」「時間」が意味を持ってきます。具体的には、レベル別のコースを「3つ」用意してステップアップする「インターバルウォーキング」を取り入れてさらに距離を延ばす、などの方法があります。

 これらの工夫については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

◆ウォーキングをレベルアップするカギはコース選びにあり!

◆運動強度を高める切り札は「インターバルウォーキング」