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「ストレスチェック」はどう役立てるかを考えながら進める!

中小企業における「ストレスチェック」のより良い運用と活用を考える(前編)

 氏家裕子=ライター

 安いという理由で産業保健に全く関連のないシステム会社を選ぶ企業もあったようだが、そういった会社はシステムは提供するものの、あとは放置というパターンもあるそうなので気をつけたいとのこと。嘱託産業医は月1回~数回しか会社を訪問しないからこそ、ストレスチェックシステムを提供するEAP会社とはしっかりタッグを組んで万全なサポート体制を構築する必要がある。そして、奥田さんが産業医を引き受けるための条件の一つは、会社側にも実施事務従事者を立てることを挙げたとのことです。

 「ほとんどの会社で実施事務従事者を立ててくれたのですが、ごく一部で会社は関わりたくないから外部(EAP会社と実施者)だけでやってくれという例がありました。要は会社内部に高ストレス者の存在を知る人がいないという状況でやりたがった会社もあったのですが、実はそれは非常に危険なんですね。内部に高ストレス者を把握している人がいて、いざというときには最低限の安全配慮義務が履行しやすい状況を作っておくことが必要だと思います」(奥田さん)

 ストレスチェックを実施する前には、パンフレットを配るだけでなく研修会を開き、口頭でも入念に説明を行うこともポイント。高ストレス者に対しては2回以上産業医面接の促しを入れるシステムを作ることなども、条件として提示していたそうです。

高ストレス者面接の内容は4パターン

 次に、奥田さんが実際に高ストレス者の面接を行った際の詳しい内容についてお話しいただきました。奥田さんは、20社担当している中で実施者も引き受けた会社は16社。高ストレス者面接は19社担当したといいます。高ストレス者は平均10~15%で、面接を行ったのは30名。とくに30代40代の男女の面接希望が多かったそうです。

 高ストレス者面接の内容は大きく「過重労働・業務内容高負荷によるストレス」「個人的要因ストレス」「会社や体制への不満、ストレス」「職場の人間関係ストレス」の4つに分かれました。どのような方と面接したのか、例を挙げて説明いただきました(個人情報保護のため一部情報を加工しています)。

【1】過重労働・業務内容高負荷によるストレス

 「30代の男性で小規模の支店の店長をしていて、80時間ほどの残業が毎月続いていて、抑うつ、不眠、食欲不振などの症状が出ていました。この方は私が実施者にならなかった会社で、EAP業者の提携しているドクターが高ストレス者面接も対応されていました。ただ、ドクターとの面接のときに抑うつ症状がかなり出ていたのに、クリニックの受診勧奨や適切な就労制限がされておらず「業務環境調整要す」の指示のみで、産業医である私とのフォロー面接をするにはその後1カ月ほどかかってしまいました。その間にさらに症状が悪化していました。本人にはすぐに医療機関を受診するように勧め、会社には残業禁止や応援要員の手配を提案しました。本人は受診して即日、休職になりました」(奥田さん)

【2】個人的要因ストレス

 「サービス業の20代の方で、ヘビーな家庭問題を抱えており、ストレス過多でした。不眠、不安が原因で体重も10キロほど減少。残業も平均40~60時間で多めでした。抑うつ状態が中程度あったので、本人には医療受診の必要性を説明して紹介状を書き、会社には症状改善するまで残業免除してくださいと意見書を書きました。その後、外来通院しながら何とか就労を続けた結果、数カ月で完治されて現在は元気に働いています」(奥田さん)

 「もう1人、30代女性で内勤の方です。小規模支社へ移動し受付接客業務が発生し、シングルタスクからマルチタスクとなったために不眠、イライラ、不安が出てきました。面接をしてみると、軽い発達障害を指摘されて医療受診していることがわかりました。発達障害は、シングルタスクはできてもマルチタスクは苦手だという人が多いんです。会社に対して、病名を公開していいということだったので、医療受診を継続してもらいながら配置転換、業務内容検討を会社に意見したところ、スムーズに対応してもらうことができ、現在は元気に内勤に戻って働いています」(奥田さん)

【3】会社や体制への不満、ストレス

 「販売業の20代新入社員の女性で、勉強会の休日参加が納得できないという理由からストレスになりました。昇進や業務に関する国家資格が必要で2カ月間毎週土曜日に勉強会が行われていたのですが休日出勤扱いにならないことがストレスだったようです。自由参加だと言われていたけど断りにくい雰囲気だったそうです。どうも納得がいかないためイライラしていたうえに、夏バテと疲労につながり、周囲のサポート低値に点数をつけて高ストレスになりました。面接したときには試験に合格して夏も過ぎて症状も改善してお元気でしたので、とくに医療受診は不要。今後も同様の試験があるので、勉強会の位置づけを本人とも話し合いをしてくださいとお願いしてご本人も納得しました」(奥田さん)

【4】職場の人間関係ストレス

 「サービス業の40代女性ですが、上司に嫌われていて、仕事が任せてもらえないということから会社に行くのが苦痛になって吐き気がする、眠れないという症状があり、面接を希望された。医療受診を指示したところ1カ月後に休職されてしまいました。しかし、人事から周囲へのヒアリングをしたら、結果、双方に問題があるということでした。復職後は異動を検討されることになりました」(奥田さん)

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