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「ストレスチェック」はどう役立てるかを考えながら進める!

中小企業における「ストレスチェック」のより良い運用と活用を考える(前編)

 氏家裕子=ライター

紙ベースのストレスチェックはリスクや負荷が大きい

 続いて、ネオシステム社が実際に実施した企業数72団体の状況を踏まえながら、傾向と対策についてお話しいただきました。

 「大手企業だと年度替わりの4月に実施したところが多いようですが、弊社で取り扱った企業さんは中小が多く、様子見であったりとか、なかなか準備が進まなかったりしたため秋ごろに駆け込みで行うような状況が多く見られました」(宮川さん)

 受検方式は厚生労働省から提供されている無料のプログラムを使っているところもありますが、使いやすいものがあれば、これでなくてもよいそうです。しかし、「紙」でストレスチェックを行う場合は気をつけたい部分も。実際に、工場や現場ではWebでの受検環境が難しいということで紙にした企業もあったそうですが、宮川さんは、「紙はリスクが高い」という印象を受けたようです。

 「(ストレスチェックを紙で行った場合)抜けやダブりなどの記入ミスがあり、それを確認するのが非常に手間なんです。また、書類の紛失等のリスクも伴います。働き方改革で残業を減らして効率化した業務を進めている状況なので、担当者の業務も効率化していくという観点からは、できるだけWebなどシステムを使っていくのが望ましい」(宮川さん)

 全社平均を見ると受検した人は80~90%。しかし、対象者が1300人もいる派遣会社の場合は受検率が56%止まりだったといいます。

 「人材派遣会社は派遣スタッフの方をたくさん抱えていて周知徹底が難しいという声がありました。受検環境もあって受検率が低かったのですが、全体としては事前にどのくらい周知できたかで、受検率の差が出たという印象です。私が行った事業者では、実施1カ月前に衛生委員会を経て、システム的に情報共有する仕組みを使ったりとか、各所属の上長を通じて周知徹底したりなど、事前周知ができた事業者さんは98%くらいの受検率でした。600人規模の事業者ですが、実は今年ももう終わって同じくらいの数値が出ています」(宮川さん)

 また、大きな課題の一つとなる高ストレス者の面接申し出割合は全社平均で対象者の8.7%と非常に低い数字が出たそう。宮川さんによると「実際は1~2%くらいだと思います」という。

高ストレス者の面接申し出割合は全社平均で8.7%と低い数字だった。
[画像のクリックで拡大表示]

 「高ストレス者の面接申し出の勧奨時期が、遅い企業も見受けられました。結果がわかったら速やかに面接申し込みをしてもらうよう呼びかけが必要だと思います。厚生労働省のガイドラインはできるだけ速やかに結果を渡して、申し出があってから1カ月以内に面接指導を実施となっていますが、恐らくこれは長すぎます。ストレスチェックはそのときの状態を見ているので、チェックしたら速やかに面接につなげていかないといけないと思いました」(宮川さん)

エクセルでできる集団分析もある

 集団分析については頭を悩ませる企業が多かったようです。1組織の人数が少なく、10人以上の集団分析ができない中小企業の場合は、本人と特定できない方法で、3人以上の分析を行うことが可能ですが、少人数だと結果に偏りが出るので、このあたりを考慮する必要があったといいます。

 「人数が少ないとそれだけデータがブレます。1人や2人のストレス度が高い場合、そちら側に大きく振れるので、その点を考慮することが大切になります」(宮川さん)

 ちなみに、エクセルベースでも分布や相関など統計分析を活用した一定の集団分析は可能だそうです。

メンタルヘルスの悪化は企業の業績にも悪影響

 ここで宮川さんは、2014年の日本経済新聞の「経済教室」欄に掲載された記事を紹介。慶応義塾大学の山本勲先生と早稲田大学の黒田祥子先生による研究で「メンタルヘルスの悪化は企業の業績にも悪影響を与える可能性がある」という結果が提示されていました。

 「会社に出てきて仕事はしているけれど、実は体調不良でいろんな生産性を落としている。これはプレゼンティズムと呼ばれている問題で、気付きにくいうえに経済的損失が大きいといわれています。そういう意味でも健康で働ける職場づくりは大切なんだと認識していく必要があるんですね。再確認となりますが、2年目が終わったところで振り返っていただき、決められたからやるということを脱して、どう有効活用して、解決していくのかにつなげていく視点で取り組んでいただければと思います」(宮川さん)

セミナーは東京国際フォーラムで行われた。

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