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スーパー大麦で、太りにくい体質を作る「やせ形腸内フローラ」に?!

「睡眠の質が上がった」という報告も

 柳本 操=ライター

スーパー大麦が「太りにくい腸内細菌叢」を作る

 腸内細菌叢はメタボリックシンドロームなどの生活習慣病とも密接に関係していることも知られている。実際、腸内環境が肥満になるかどうかを左右する可能性があるという。

 岡山大学大学院環境生命科学研究科教授の森田英利さんは、肥満と腸内細菌叢の関係について着目している研究者の一人。森田さんは、米国で行われた肥満と腸内細菌叢に関する研究で興味深い結果が出ていると話す。

 「米国ワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士らが、『肥満マウス』の糞便を『健常な無菌マウス』に食べさせたところ、2週間という短い期間で肥満マウスに変わってしまいました。さらに、一方が肥満で、もう一方がやせている一卵性双生児の糞便を、それぞれ無菌マウスに食べさせた後に同居させたところ、肥満者、痩身者の糞便を食べたいずれのマウスもやせました。同居する中で、肥満腸内細菌叢に足りない痩身者の腸内細菌が、肥満者の腸内細菌叢に入り込み、肥満改善効果をもたらす短鎖脂肪酸を産生する腸内細菌が増えていることが確認されました(Nature.2009;457(7228):480-4.、Science. 2013;341(6150): 1241214.)。つまり、腸内細菌叢の細菌構成次第で体形(肥満度)が決まる、という可能性があるのです」(森田さん)

 森田さんは、「スーパー大麦を1日12g摂取することによる腸内フローラの変化、体重への影響」を調べる試験を、30~50代の5人の肥満傾向の女性を対象に行った(食事への介入はせず発酵食品の摂取のみ制限)。

 試験期間が2週間と短期間だったこともあり、BMIは減少幅が0.12~0.23とわずかであったものの、5人のうち3人のBMIが減少した。

 さらに注目すべきは、腸内細菌叢の変化だ。「1人を除き、4人においては腸内細菌の中でも抗肥満作用を示す可能性が高い腸内細菌が増える傾向が見られました」と森田さん。

スーパー大麦2週間摂取で抗肥満効果に貢献する腸内細菌が増えた
抗肥満作用が期待される腸内細菌の変化率を合計(バクテロイデーテス門、ビフィドバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属)。5人中、4人の抗肥満腸内細菌が増加傾向となった。(森田英利(岡山大学大学院環境生命科学研究科教授)と帝人の共同研究)
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 腸内細菌の抗肥満作用のメカニズムについて、森田さんはこう説明する。「バクテロイデーテス門に分類される腸内細菌の中には、短鎖脂肪酸の中でも酢酸、酪酸を産生します。ビフィドバクテリウム属は、いわゆるビフィズス菌で、日本人に特徴的に多く、酢酸を作ります。フィーカリバクテリウム属は、酪酸を作ります」

 「これら短鎖脂肪酸の中でも、酪酸は、腸管ホルモンのGLP-1とペプチドYYという消化管ホルモンの分泌を促すことが分かっています。GLP-1は、インスリン分泌を促し、血糖値を上がりにくくします。一方、ペプチドYYは脳の視床下部に作用して、食欲を抑えます。これらの働きによって肥満を改善できるのではないかと考えられます。さらに長期にわたって摂取すると、より抗肥満効果が高まる可能性があります」(森田さん)

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