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「脱毛に悩むがん患者が、普通に通える美容院を増やしたい」 

乳がん患者をサポートする美容師の取り組み

 芦部洋子=ライター

 がんの治療を続けながら仕事をする人、日常生活を送る人が増えてきた。社会の意識も変わり、企業が自社社員のために治療中の就労システムを作ったり、顧客のために保険商品や日常生活のサポートサービスを拡充させるなどの動きが広がっている。そんな中、町にあるごく普通の美容院も乳がん患者をサポートする活動を始めている。その取り組みを紹介する。

「プロの美容師がサポートをすることで、脱毛を経験した方々にも、きれいで、かわいく、カッコ良く、元気に暮らしてほしい」と話す上野修平さん

乳がん患者が普通に通える美容院を目指して

 ウィッグ(かつら)をかぶった乳がん患者の髪を美容師がセットすると、患者は鏡に映る姿を見て「気分が若返る」「うれしい!」と声を弾ませた。脱毛の悲しさ、不安を口にしていた患者たちの目が輝き、明るい笑い声が上がる――。

 東京・築地で美容院を経営する美容師の上野修平さんは、聖路加国際病院ブレストセンター(東京・中央区)で、乳がん患者を対象に髪や爪の変化(*1)とケア方法を教え、美容に関する悩みに答えるボランティア活動を行っている。

 「ビューティ・リング」と名付けられたこの活動は、2013年から毎月1回行われている。3回1セットで、1回目は上野さんと美容師の工藤真知子さん、ネイリストの菅原ひとみさんによるヘア・ネイルケア、2回目は美容専門家によるメークのレクチャー、3回目は看護師さんと参加者のミーティングだ。

「帽子姿をより自然に見せるには、帽子から少し毛髪が見えるようにするのがおすすめ」と上野さん。ビューティ・リングでは、100円ショップで入手できる前髪ウィッグを帽子に取り付ける方法などを紹介している
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 上野さんが経営する美容院「Salon Omm」では、抗がん剤投与の影響で脱毛に悩む患者が安心して通える美容院の環境づくりとケアも実現している。

 抗がん剤の種類は多く、副作用も様々だが、種類によっては脱毛する可能性が高く、患者は外見的なつらさも体験しなくてはならない。そこで、「Salon Omm」ではもともと着物の着付け用に確保していたスペースをがん患者用の個室として使えるようにした。2台並んだシャンプー台の間にも目隠しのロールカーテンを付けているため、患者はほかのお客の目を気にすることなくケアを受けることができる。

脱毛に悩む患者用の個室として使っているスペース
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2台のシャンプー台の間にはロールカーテンを取り付けた
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*1 抗がん剤を投与したがん患者には髪や爪などに様々な変化が起こることがある。詳細は記事後半で解説する。
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