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フォルクスワーゲン事件で問題の「排ガス」がもたらす健康被害

肺の末梢まで到達して蓄積すると取り除けず、ぜん息、COPDのリスクに

 池田 悟=日経Gooday

 独フォルクスワーゲン(VW)が、米国で販売したディーゼル車の一部に違法なプログラムソフトを用いて排ガス規制を逃れていたという問題が、世界中のメディアで取り上げられている。同社の傘下にあるアウディの車種を含めると、全世界で販売された排ガス不正車はおよそ1100万台に上るとされる。

フォルクスワーゲンが米国で販売したディーゼル車の一部に、国内の規制値を超えるNoxが実走行中に排出されていることが明るみになった。(©Joe Belanger-123rf)
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 今回のVWの一件がこれだけ問題視されているのは、世界的な自動車メーカーが不正行為に手を染めていたという事実もさることながら、自動車の排ガスに含まれる酸化窒素化合物「NOx」*1)や浮遊粒子状物質(SPM)*2)が大気汚染や健康被害をもたらすため、世界中で排出を厳しく規制する方向に進んでいるからだ。

 では、NOxやSPMは、ヒトの体にどのような悪影響を及ぼすのだろうか。

 排ガスがもたらす健康被害の怖さは、NOxが粒子化したものを含むSPMの、「気管支の奥にまで入り込むそのサイズにあります」。こう解説するのは、呼吸器の専門医で、ぜんそくやアレルギー疾患に詳しい「あざみ野おさかべクリニック」(神奈川県横浜市)の刑部義美院長だ。

*1)主に化石燃焼が高温で燃焼する際に出る「一酸化窒素(NO)」が、大気中の酸素(O)によって酸化することで「二酸化窒素(NO2)」に変わる。これら主な窒素酸化物などを総称して「NOx」と呼ぶ。工場の排煙、自動車の排ガスなどに含まれ、大気汚染や健康被害の原因物質にもなることから、世界中で排出を厳しく規制する方向で進んでいる。
*2)固体及び液体の粒子の総称であり、粒径10μm以下の浮遊するものを特に浮遊粒子状物質(SPM)と呼ぶ。燃焼排ガス中には、炭素のほかバナジウム等の金属粒子が多く、特にディーゼル排ガス中には未燃の炭素が多い。肺や気管等に沈着すると、呼吸器への影響がある。排出源ではガス状であったものが大気中の反応により粒子化した「二次粒子」も含む。

肺胞の奥まで届き、ぜん息やCOPDを誘発する恐れがある

 「肺の末梢まで伸びる気管支は、線毛と気道液とで覆われた粘膜で守られていますが、小さな異物やウイルス、細菌などが入ると、それを捕えて体外に排出する機能を備えています。こうした生理機能が咳や痰(たん)などです。しかし、線毛は喉から気管までの『上気道』に比べて、気管支から細気管支を経て肺胞にまで伸びる『下気道』の方が少ない。つまり、吸入する物質が小さくなるほど肺胞の奥にまで潜りこみを自力で取り除くことが難しくなるわけです」(刑部院長)

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