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厚労省、小児用補助人工心臓を異例のスピードで保険適用

ベルリンハート社製「EXCOR Pediatric」

 増谷 彩=日経メディカル

 厚生労働省は8月1日付けで、ドイツのベルリンハート社製の単回使用体外設置式補助人工心臓ポンプ(商品名EXCOR Pediatric 小児用体外設置式補助人工心臓システム)を保険適用した。同製品は、心臓移植待機者が急性循環不全に陥った場合に装着するもので、乳児から使える補助人工心臓装置としては国内初となる。厚労省は、通常のスケジュールを短縮して約7カ月で審査を行い、迅速な保険適用がなされた。

 日本では2010年7月、改正臓器移植法が施行され、15歳未満の小児からの臓器提供も可能になった。完治のためには心臓移植がほぼ唯一の治療法である小児重症心不全の治療の道も開けた。

 しかし、これまで日本には小児用の補助人工心臓装置がなかったため、心臓移植待機中に循環不全に陥った場合、小児でも既存の成人用の体外式補助人工心臓装置などを使うしかなかった。成人用の補助人工心臓装置はポンプ容積が大きいため、拍出量を調節する必要がある。拍出量を調節するとポンプ内に血液が滞留し、血栓塞栓症やそれに伴う脳梗塞などのリスクが高くなる。

 2015年1月には、心臓移植を待機していた6歳未満の女児が、成人用の補助人工心臓装置に起因するとみられる血栓で脳梗塞を起こし、脳死になった。女児の両親は小児用補助人工心臓装置の早期承認を求めるコメントを発表し、日本小児循環器学会も厚労省に要望書を提出していた。

 日本小児循環器学会移植委員会委員長の福嶌教偉氏(国立循環器病研究センター移植医療部長)は、「乳幼児にも使用可能な補助人工心臓を早期に承認していただき、感謝している。これで、重症心不全になった乳幼児を救命できるようになった。ただし、我が国で小児の脳死臓器提供がなければ、その子どもたちを国内で救うことはできない。小児からの臓器提供が増加するような体制整備も必要であると思う」と語った。

 EXCORは、10~60mLの6種類のポンプをそろえており、体重2kgの新生児から60kgの10歳代の小児まで使い分けられる。ポンプの保険償還価格は517万円。欧米では1900年代から使われている。

 厚労省は2009年、同機器を「医療ニーズの高い未承認医療機器」に選定。2011年には医療上の必要性・緊急性が特に高い医療機器だと判断して、優先的に審査することを決めていた。2014年11月18日に製造販売承認申請がなされ、2015年6月18日付けで承認されていた。

この記事は、日経メディカルからの転載です。
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