日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

お知らせ

医療・予防

トピックス

高齢者20万人研究で分かった「転びやすい町、転びにくい町」

最大4倍の「転倒格差」はどこから生まれるか

 金沢 明=医学ライター

「どういう地域に暮らしているか」が、お年寄りの健康状態を左右する─。全国30~40市町村に住む20万人以上の高齢者を対象とした調査研究「JAGES」プロジェクトから、地域特性が健康状態に及ぼす影響についての新たな知見が次々に得られている。その一つが、高齢者が転びやすい町と転びにくい町があり、その差は何と4倍にも及ぶというもの。高齢者が健康を維持し、要介護状態になるのを予防するには、地域に何が必要なのか。JAGESプロジェクトの代表者で、千葉大学予防医学センター教授と国立長寿医療研究センター老年学評価研究部長を併任する近藤克則氏に話を聞いた。

人々の交流が活発な地域に暮らすと、自然に健康になる

近藤さんが代表を務めるJAGESプロジェクトとは、どのようなものですか? これまでに得られている研究成果についても教えてください。

近藤 JAGESとはJapan Gerontological Evaluation Studyの略称で、正式な研究名称は「日本老年学的評価研究」といいます。JAGESプロジェクトでは、全国の30~40の市町村にご協力をいただき、20~30万人の高齢者を対象とした調査を行っています。その結果を全国の大学・国立研究所などの30~40人の研究者が多面的に分析しています。目的は、健康状態に影響を及ぼす、主に社会・環境要因について解き明かすことです。

 既に、様々なことが分かっています。例えば「健康に長生きする秘訣は、積極的に人と会うこと」「運動は仲間とやると介護予防に効果的」「一人で食事をするとうつ病になりやすい」「グループや組織の中で役割を持つほど長生きしやすい」といった分析結果が得られました。どれも、健康に暮らすには「人とのつながり」が大切であることを示しています。

「人とのつながり」と健康の関係(JAGESプロジェクトより)
  • 健康に長生きする秘訣は、積極的に人と会うこと
  • 運動は仲間とやると介護予防に効果的
  • 独りで食事をするとうつ病になりやすい
  • グループや組織の中で役割を持つほど長生きしやすい

 また、ご本人がどういう生活をしているかだけではなく、「どういう地域に暮らしているか」も、健康であるかの大きな要因であるということが分かりました。例えばご本人が閉じこもっていても、周りの人の交流が活発な地域に暮らしている場合、年をとっても歯の数が多い、つまり老化が進みにくいというデータが得られています。人とのつながりが多い地域に暮らしているだけで、介護予防になりそうだ、という結果です。ちょっと不思議なのですが、研究を積み重ねていくと、そういう現象があるようなのです。

 皆さんも経験があるかもしれませんが、自分の性格は変わらないのに、明るい人たちの中に行くとよく笑ってしまうとか、気まずい雰囲気の中にいると深刻になるという現象があります。どういう人たちに囲まれているかで、感じることや発揮される能力が違うらしいということが、多くの高齢者を、何年間も追跡させていただく中で、次々と分かってきています。

続きは日経Gooday会員に登録するとすぐご覧いただけます。

期間限定 日経Gooday マイドクター 登録月プラス1カ月無料キャンペーン 2017年9月1日~10月31日

SNSで最新記事をチェック

RSS

最新記事を週2回お届け!

日経IDがあれば簡単30秒で登録できます。

体の不調・病気が気になる場合は…

病気の予防・治療などの限定記事が読めます。医師などの専門家に相談できます。

アクセスランキング

PR

有料会員限定記事ランキング(現在)

病気/サプリなどを調べる

デイリーコンテンツ

“男”の健康維持

このサイトについて

日本経済新聞社について