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「オリーブオイルちょい足し」 5つの技あり健康効果UP術

オリーブオイルの風味を薬味代わりに!

 芦部洋子=フリーライター

 日本人の食卓に合うエキストラバージンオリーブオイルの取り入れ方を発信する「オリーブオイル健康ラボ」が、3月にセミナーを開催。その席上、地中海食の健康効果に関する話などに続き、食物学の専門家である佐藤秀美さんが、オリーブオイルの栄養学的な効果と、日本人の普段の食卓に手軽に活用できる方法について話した。

納豆に「ちょい足し」すると、特有のにおいも弱められる

脂溶性ビタミンの吸収力アップに油は重要

 農林水産省と厚生労働省は、栄養バランスに優れた「日本型食生活」が実現され日本人の寿命が延びた1980年前後の食事を踏まえ、1日に「何を」「どれだけ」食べればいいかという、健康的な食生活実現の目安になる「食事バランスガイド」を作っている。

※「食事バランスガイド」を基に佐藤秀美さんが作った図を編集部が改変
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 これは、コマの中に5つの料理グループが描かれた図で、上にある料理グループのものほど多く食べる必要があるというもの。ごはんやパンを主食として、野菜、きのこ、いも、海藻などのおかずを副菜、肉、魚、卵、大豆を主菜とし、果物と牛乳・乳製品を加えたものだ。

 「地中海食の内容を見てみると、この食事バランスガイドとほぼ一致する。違っているのは日本のバランスガイドには油がないが、地中海食にはオリーブオイルが入っていること」と話すのは、食物学の学術博士である佐藤秀美さん。

 油は脂質で、これには必須脂肪酸という体内では合成できない脂肪酸が含まれており、たんぱく質、炭水化物と合わせた三大栄養素なので、必ずとる必要がある。

 また、「脂溶性ビタミンの吸収率を上げることも油の大きな役割。ニンジンなどの緑黄色野菜に含まれるベータカロテンは、油と一緒にとると吸収率が高まるといわれている」と佐藤さん。地中海食にならい、日本人の食事にオリーブオイルを加えると、ベータカロテンの吸収も高まり、健康の維持・増進に役立つ。

抗酸化作用により、老化の進行抑制も期待

 佐藤さんは、エキストラバージンオリーブオイルの機能性成分であるオレオカンタールという物質に着目する。これは、オリーブオイルをなめたときに感じるピリリとしたかすかな刺激性のある味のもとであり、抗炎症性、抗酸化性を持つ成分だ。抗酸化作用によって、老化の進行抑制、生活習慣病の予防効果が期待できる。

 また、ポリフェノールの一種であるオレウロペインという成分も抗酸化作用がある。オリーブオイルには、このほかにも、抗不整脈性および血管拡張作用が期待できる成分が含まれていることが明らかにされつつある。

オリーブオイルの風味を薬味代わりに利用しよう

 このように、様々な健康効果が期待されるオリーブオイルだが、私たちの日常の食事にどのように取り入れればよいのだろうか。佐藤さんは、食卓によく登場する食材と組み合わせて、おいしく、しかも簡単に利用できる方法を教えてくれた。「オリーブオイルの特徴である『青葉の香り』を活用することをおすすめします」と佐藤さん。

 オリーブオイルをそのまま口に含むと、青葉に似た香りがパッと立ち、味にはピリリとしたかすかな刺激と苦みが加わる。「この香りと味わいを生かし、日本の食事にもなじみ深い“薬味”として使えば、用途が広がり、使い方も簡単です」(佐藤さん)

 佐藤さんが提案してくれたエキストラバージンオリーブオイルの活用法は次の通りだ。

1「焼き魚」「大根おろし」+エキストラバージンオリーブオイル

 魚の切り身の表面にオリーブオイルをまぶして焼くと、切り身を油でコーティングするので、乾燥しにくくふっくらジューシーに仕上がり、焼き網にもくっつきにくい。さらに、大根おろしに薬味代わりにオリーブオイルをかけると、青葉の香りが新鮮で、魚の生臭さを抑えてくれる。

 使う魚は何でもいいが、サケ、キンメダイ、クルマエビなどの赤い色素を持つ魚を使うとさらに健康効果が高くなる。これらの赤い色素は脂溶性のアスタキサンチンという抗酸化物質なので、老化の進行抑制や生活習慣病予防効果のさらなるアップが期待できる。


2「パセリとニンジンのきんぴら」+エキストラバージンオリーブオイル

 これは、佐藤さんがお気に入りで、普段からよく作るという一品だ。「パセリもニンジン同様にベータカロテンが豊富なうえビタミンCも豊富に含む野菜なので、食事の彩り程度にしか利用されないのはもったいない」と佐藤さん。パセリにもオリーブオイルと同じ青葉の香りがあり、生のままだと香りが強すぎるが、揮発性の香りなのできんぴらにして加熱すると、香りが弱まっておいしく食べられるという。


3「納豆」+エキストラバージンオリーブオイル

 納豆に薬味を加える代わりにオリーブオイルをかける方法もおすすめだ。納豆好きな人は、醤油より塩を使ったほうが、納豆のうまみと香りを堪能できる。一方、納豆特有のにおいが苦手な人は、オリーブオイルにプラスして梅干しや生のオクラを加え、酸味、オクラの香りや食感で納豆特有のにおいを弱めるとよい。

4「オレンジジュースやニンジンジュース」+エキストラバージンオリーブオイル

 ベータカロテンの吸収率が高くなるので、これらのジュースにはオリーブオイルを垂らして飲むといい。


5「冷ややっこ」+エキストラバージンオリーブオイル

 冷ややっこは、豆腐に重しをして水を切ると、味が凝縮して濃厚になる。これにオリーブオイルと塩、好みによって黒コショウをかけるだけで、安価な豆腐が高級豆腐の味に変身する。




 このように、食卓に登場する回数の多い身近な一品にエキストラバージンオリーブオイルを加えるだけで、手軽に健康効果を高められるので、試してみてはどうだろうか。

(写真提供:オリーブオイル健康ラボ)


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佐藤秀美(さとう ひでみ)さん
学術博士(食物学)、日本獣医生命科学大学客員教授
佐藤秀美(さとう ひでみ)さん 横浜国立大学卒業後、企業で調理機器の開発に従事した後、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程を修了。大学で教える傍ら、栄養士免許を取得し、研究者と主婦の両方の目線で料理や栄養を研究。テレビ番組や雑誌、新聞など多くのメディアで分かりやすく栄養学を教えている。「栄養『こつ』の科学 カラダと健康の疑問に答える」(柴田書店)など著書多数。