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妊婦の2.4%に性器クラミジア感染症

早産や新生児肺炎の懸念、男性の治療も必須

 土田 絢子=日経メディカル

 全国の妊婦約32.6万例の調査で、2.4%の妊婦が性器クラミジア感染症を有していたと、第67回日本産科婦人科学会学術講演会で4月12日、熊本悦明氏(性の健康医学財団名誉会頭、札幌医大名誉教授)が発表した。

 性器クラミジア感染症の8割は無症状で本人に自覚がないが、妊婦にとっては流産、早産、低体重児、新生児肺炎―などの懸念がある。熊本氏は、「欧米と比べても日本における妊婦のクラミジア感染率はかなり高い。1988年に日本性感染症学会が設立され予防のための啓蒙活動を展開してきたが、足りていないことが分かった。この問題をより広くアピールする必要がある」と強調した。

 今回の調査は、日本産婦人科医会の協力を得て2013年10月から2014年3月までに全国の産科施設を受診した32万5771例の妊婦を対象とした。性器クラミジア感染症の感染率を年齢別にみると、(1)19歳以下:15.3%、(2)20~24歳:7.3%、(3)25~29歳:2.2%、(3)30~34歳:1.2%、(4)35~39歳:0.8%、(5)40歳以上:0.9%―であり、特に10代妊婦で感染率が高かった。10代妊婦のクラミジア感染率を県別に集計すると、0~約45%まで大きなバラつきがあった。熊本氏は、「啓蒙・教育の問題により県別で感染率に大きな差があるのではないか」と考察した。

 また、米国において2008~2010年に医師がクラミジア検査が必要であると判断した妊婦約60万例の結果では、19歳以下9.6%、20~24歳5.2%、25~29歳1.8%、30~34歳0.9%、35~39歳0.6%―と報告されており、各年齢層において日本の感染率の方が高かった。

 性器クラミジア感染症は、一般女性では、骨盤感染症、子宮外妊娠、不妊症の原因となる可能性がある。熊本氏は、「妊婦は性生活のある女性のうち、たまたま妊娠した例とすると、一般女性において無症候の形でクラミジア感染が著しく流行していると考えられる」と説明した。

 治療においては本人のみならずセックスパートナーの治療が必要だが、男性側でも尿中白血球数が少ない「無症候感染例」がかなり多い。さらに、オーラルセックスによって咽頭感染例が10%にみられるとの報告がある。「女性がクラミジアに感染していたら、男性側は尿検査の結果にかかわらず積極的に治療しなくてはならない。咽頭感染については耳鼻咽喉科との連携が必要」と熊本氏は強調した。

この記事は、日経メディカルからの転載です。

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