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たまった疲れ、固まった体は「アクティブレスト」でリセット!

「ストレッチ」と「低酸素トレーニング」で日々の疲れを解消

 氏家裕子=ライター

 なにかと気を張って過ごしがちな新年度。日々、蓄積されていく疲れやストレスを解消するために、ただじっと動かずに休養するのではなく、軽い運動を取り入れることで効果的にリフレッシュする「アクティブレスト(積極的休養)」という方法が注目を集めている。そこで今回、日頃のデスクワークで疲れ切っている筆者が、プロのトレーナーの指導の下、初心者でも気軽にできるアクティブレストのプログラムを提供している「NEUTRALWORKS.TOKYO」(東京・外苑前)を訪れた。

固まった体、浅くなった呼吸、たまった疲労をリセット

 「NEUTRALWORKS.」は、「スポーツライフスタイルで、24時間を過ごしたい人たちのためのココロとカラダをニュートラルに整える」をコンセプトに、商品やサービスを提供するショップブランド。今回筆者が東京・外苑前にある「NEUTRALWORKS.TOKYO」で体験したのは、運動初心者が気軽に受けやすく、疲労回復に効果的な「リブート・ストレッチ」と、短い時間で効率的に運動を行うことができる「低酸素トレーニング」の2つだ。

優しい笑顔が印象的な富野訓生トレーナーだが、ストレッチ中は身体の滞っている部分をピンポイントで容赦なく直撃する。「1回のストレッチで体をニュートラルな状態に近づけることができます」という。

 ストレッチを担当するスポーツトレーナーの富野訓生さんは、「ほとんどの人が、日常のデスクワークや、姿勢の崩れなどによる骨盤のずれ、肩甲骨のずれがあります。歪んだ状態のままでいると、呼吸がしにくく、パフォーマンスも低下し、疲れも慢性化していきます。ストレッチのプログラムでは、体の状態をニュートラルにリセットし、楽に動ける状態を取り戻します」と話す。

 利用者は男女半々、30代~50代が中心の幅広い年齢層で、運動能力を強化したい人から、運動初心者で疲労回復をしたい人まで目的もさまざまだという。「運動不足の人は、ストレッチで緊張しているところをほぐしてから運動をすると、ほぐれている感覚がわかりやすくなるのでおすすめです。今日も、このあと低酸素トレーニングがあるので、完全なリラックス状態というよりは少し刺激を入れて、動きやすい状態にしていきます」(富野さん)

 それでは早速「リブート・ストレッチ」の体験をスタートしよう!

まずは体の状態をチェック! 自分が知らなかった歪みが明らかに

 「リブート・ストレッチ」では、プロのトレーナーが体の硬さや歪みをリセットしてくれるパーソナルストレッチに加えて、ストレッチマシンで肩甲骨、股関節の可動域をニュートラルな状態に戻していく。

 まずはマットに仰向けになり、首や肩、手足などを一つずつ動かしながら体の状態をチェックしてもらう。

富野さん 「左脚が少し上がりにくいですね。それから、寝ているときに右肩が浮いています」

筆者 「そうなんですか? 全然知りませんでした!」

富野さん 「腹筋が緊張していますね」

筆者 「それは悪いことですか?」

富野さん 「お腹に力が入るような姿勢になっています。腸の動きも制限されていますね」

 …など、普段自分では全く意識していなかった体の歪みや緊張状態を次々と指摘されて、歪んだ状態で普通に暮らしていたことにショックを受ける。

まずは体の状態をチェック
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脚を内側、外側に倒し、腕を引っ張るなどの動きで、股関節、肩甲骨の可動域や体の歪みをひとつひとつチェックしていく。

ストレッチで歪んだ体をほぐし、可動域を広げて本来の状態に戻す

 次に「フォームローラー」という、ポールのような形をした柔らかい素材の器具を使ったストレッチに入る。フォームローラーの上に仰向けの姿勢で寝ると、自然に胸が開き、呼吸をしやすい状態になるという。バンザイの状態で肩回りを伸ばされ、次に肩を下に押され床に近づけて胸を開く。さらに、脚を内側・外側に倒して股関節をストレッチする。

フォームローラーに仰向けになり、肩甲骨周りや股関節のストレッチ
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伸ばしていくうちに「最初のチェックの時よりも脚が倒れやすくなっているのがわかりますか?」と富野さん。「わかります!」と筆者。こんなにすぐに関節が動くようになることに驚いた。

 うつ伏せの状態で肩甲骨にぐい~っと親指を入れられると、「指がそこまで入るんですか?!」(著者)。「肩甲骨周りの固くなった筋肉をはがしています」と富野さんはニッコリ。

 ストレッチでは、肩甲骨と股関節を中心にアプローチ。「肩甲骨、股関節は体の中で一番可動域が広い場所。ここが本来の可動域まで広がらないと、運動しているときに力任せになって、体の負担が大きくなります。まずは、肩甲骨と股関節をニュートラルな位置に戻すことで、体全体の可動域も広がります」とのこと。

肩甲骨に親指をギューッ
肩甲骨に親指をギューッと押し込み、固まった肩甲骨周りの筋肉をはがす。
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お腹の力を抜く
お腹の力が抜けると呼吸の通りがよくなるという。便秘気味の人にも効果的だそう。
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マシンを使ってストレッチ! さらに可動域をアップしていく

 マットでのストレッチを終えると、次はマシンを使ったストレッチをスタート。「マシンというと通常はフィットネスクラブなどの筋トレのマシンを想像すると思いますが、これは筋肉に負荷をかけていくマシンとは逆の発想作られたマシンです。リラックスしながらゆっくりストレッチしていきますよ」と富野さん。まずは、胸筋を伸ばすマシンに挑戦する。

マシンを使った胸筋ストレッチ
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パットに腕を当て、足を少しずつ浮かせていくと、腕が後ろに持っていかれると同時に胸筋が開いていく。

富野さん 「上腕三頭筋、広背筋を広げて、わきの下のリンパの流れも促しています。片頭痛持ちの人にはスッキリしますよ」

筆者 「腕が伸びるたびに、血液がじゅわ~んと流れていく感覚がわかります! 体がスッキリと目覚めていくような感じです!」

富野さん 「それが本来の状態なんですよ」

マシンを使った開脚ストレッチ
自分1人のストレッチではなかなか広げられない位置まで開脚。
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 続けて、開脚をマシンで体験。自分の力だけでは伸ばせないところまで脚を広げられて気持ちいい!と思ったのもつかの間、股関節をひねった状態の開脚に移り、腸脛靭帯という部分を富野さんからプッシュされて思わず「イテテテ!」と声が。

 普段、なかなか経験しない痛みに顔も歪んだが、押されることで血流が促され、スッキリ。「もっと押してほしい…」と筆者。癖になる痛さだ。

腸脛靱帯をプッシュ
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「血流が滞るポイントです」と富野さん。プッシュされ思わず「イテテテ!」

 最後に、お尻の筋肉にアプローチ。自分の体重を使って動かすことで、脚を乗せている側のお尻の筋肉が伸びていく。

お尻のストレッチ
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トレーナーの力で下げられると、伸びている気持ちよさと同時に「イテテテ!」。しかし、この直後、驚きの効果を実感することとなる。

 左側のお尻のストレッチを終えた直後に、足踏みしてみると、なんと左脚だけがまるでなにもついていないような軽さになった。それに比べて、ストレッチ前の右脚の重いこと…。富野さんいわく、この軽さが本来の状態だというから、普段どれだけ重い体に慣れ切っていたのだろうと驚愕する。

 最後に、再びマットに寝転がり、体の変化をチェックしてもらった。ストレッチ前には浮いていた右肩が元に戻り、床に体が沈んでいるような感覚に変わっている。立ち上がって腕を振ったり、脚を回したりしてみると…軽い! 今すぐ体を動かしたい気分!

健康増進、運動不足解消など、低酸素トレの目的は意外と身近

 肩甲骨と股関節がニュートラルな状態になったところで、次は低酸素トレーニングに挑戦する。

「短時間で効率よく負荷をかけられるので、精神的なストレスも少なくトレーニングを継続することができます」と豊村純一さん。

 低酸素トレーニングとは、日常生活よりも、酸素が少ない環境で行うトレーニングのことで、アスリートが心肺機能を高め、パフォーマンスを向上させるためにストイックに活用するというイメージがある。

 しかし「ここ1~2年くらいは、健康増進、ダイエット、運動不足解消、という目的で利用する人の方が多くなっています。なぜなら、低酸素状態では、体がいわゆる酸欠状態になることで、より多くの酸素を取り込もうとして血流が良くなり、糖質や脂質の燃焼が促進されるほか、日常生活と同じトレーニング負荷の運動をしても心肺により強い負荷がかかるので、忙しい人でも短い時間で効率よく心肺機能を高めることができるからです。関節や筋肉がまだ強い衝撃に耐えられず、長時間のトレーニングで脚を痛めがちなマラソン初心者にもおすすめです」とトレーナーの豊村純一さん。それは知らなかった!

 また、低酸素状態では呼吸中枢が刺激されるので、呼吸が深くなり、意識的に正しい呼吸方法を覚えられることもメリットの1つだそう。疲労が蓄積されているとき、姿勢が悪いとき、デスクワーク中など、人は無意識のうちに呼吸が浅くなりがち。低酸素トレーニングでは、後述する酸素飽和度を指標にしながら、正しい呼吸を身につけていく。

無意識のうちに浅くなってしまった呼吸を元に戻す

 今回は、70分間のパーソナルトレーニングに挑戦(このほか、40分間で行う3人までのグループトレーニングもある)。酸素の濃度は、標高に換算して、2000m、3000mが選択できる。今回は、富士山の8合目に相当する3000mでレッツ低酸素!

 まずは低酸素ルームに入る前に、パルスオキシメーターを使って酸素飽和度をチェックする。

パルスオキシメーターとは

皮膚を通して動脈血の酸素飽和度(SpO2)と脈拍数が測定できる小型の医療機器。

酸素飽和度(SpO2)とは

全身を流れる血液(動脈血)の赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているかを示す比率のことで、体の中に酸素を取り込む力の指標となる。


豊村さん 「酸素飽和度は95%以上あれば大丈夫です。94%以下の場合は、肺に病気がある可能性もありますのでトレーニングは不可能になります」

筆者 「99%あります!」

豊村さん 「いいですね。正常ですよ」

低酸素ルームに入る前の酸素飽和度
酸素飽和度が94%以下の場合は、肺に病気を持っている、普段、タバコを吸い過ぎているなどの理由があるようで、低酸素トレーニングはNG。「これまで94%以下の人はいませんでした」(豊村さん)

 ひとまず、第一関門をクリア(?)し、いざ、低酸素ルームへ。最初は、なにも意識しない状態で、ランニングマシンを使って、ウォーキングと軽いジョギングを10分ほど行う。

豊村さん 「ゆっくり動いていきますので、なにかあったらすぐに言ってくださいね。人によって、息が苦しい、頭がフラフラするなどの変化が起きることがあります。苦しい場合は運動負荷を下げることもできますので、無理なくやっていきましょう」

筆者 「少し頭がぼーっとする気がします」

豊村さん 「それくらいの変化があるのは正常なので大丈夫ですよ」

低酸素ルームでウォーキング
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ウォーキングをスタートすると、数分で呼吸が乱れてきた。「普段ならこんなことはないのですが…。ちょっと歩いただけで息が上がりそうです」と筆者。「今、少ない酸素を運ぼうと体が頑張っていますよ」(豊村さん)

 最初のウォーキングでは、その日のコンディションがわかるという。寝不足であれば睡魔がやってきて、肉体疲労があれば、疲れている部分が重く感じたりするという。ここで、酸素飽和度を測ってみると、なんと「84%」という結果に。

豊村さん 「通常の場所であれば救急車を呼ぶくらいの酸欠状態ですが、これは効率よくトレーニングできている証拠です。そこまで追い込んでいないのに、体には負荷がかかっていることがわかりますね」

低酸素ルームでランニング
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さらに、スピードを少しだけ早くして軽いジョギングに移ると、酸素飽和度は79%に。「足も重くなってきました。まだ10分も動いていないのに、30分間のジョギングをしたくらいの疲れがあります」と低酸素を全身で感じる筆者。「こんなに短い時間でこんなに疲労感があるなんて、ちょっとラッキー」という気持ちも。

胸、肋骨、お腹、背中などに息を入れる呼吸の方法を練習

 体の中の酸素状態は、姿勢と呼吸によって変化するという。ここで、ポールを使用しながら呼吸の練習に入る。日常生活では、横隔膜を動かしながら腹式呼吸をしているそうだが、運動の際には、胸や背中にも空気を入れて、膨らんでいくのがいいそう。胸、肋骨、お腹、背中と順番に手を置きながら、各所に空気が入るように呼吸を練習し、最後に全体をふくらませるようなイメージで大きく呼吸をする。

低酸素状態で呼吸のトレーニング
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背中に呼吸を入れるという意識は普段なかなかしないため、難しい。

 呼吸の練習を終えると、酸素飽和度は98%までアップ。「しっかりと呼吸をするだけでもこれだけの変化があります。最初のストレッチで呼吸を通る道はできているので、それを正しく使えたということですね」(豊村さん)。

バランスの悪い状態でも呼吸をする訓練

 続いてバランスボールでのトレーニングに挑戦。「不安定な状態になると人は呼吸を止めてしまいます。体に力が入っているときに、いかに呼吸を楽にするかのトレーニングになります」(豊村さん)。スポーツでもデスクワークでも同様、苦しい時こそ呼吸をすることで体が楽な状態を保てる

バランスボールに乗りながらの呼吸トレーニング
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まっすぐに乗る→左右に動かす→前後に動かすという具合にバランスレベルを上げながら、呼吸の練習をする。間違った姿勢をしている場合はすねや足裏に力が入るそうだ。

4キロのケトルベルで筋トレをしながら呼吸の練習

 続いて、ヤカンとベルをくっ付けたような形をした「ケトルベル」という重りを使ってのトレーニング。ポールでは通常の呼吸を意識、バランスボールでは体の力を抜いた状態での呼吸を意識、ケトルベルでは、しっかりと体を動かした状態での呼吸を意識するという。「お尻を後ろに引きながらケトルベルも後ろに。立ち上がりながらケトルベルは前にと、振り子のように揺らしていきます。股関節を繰り返ししっかり使っていくことで、より血流が促進されたり、ヒップアップにもつながります」(豊村さん)。

ケトルベルを使った筋トレをしながら呼吸トレーニング
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重さは4キロと8キロがある。間違ったフォームで行うと、腕だけが太くなったり、腰を痛めることがあるので注意。「膝の屈伸をなくして、なるべく股関節を大きく使いましょう」とアドバイスを受ける。

 すべてのトレーニングを終えると、最後に再びランニングマシンへ。呼吸を意識しながら走ると、最初のジョギングで感じた疲労感はどこかへ行ってしまっている。疲労度の違いにはびっくり!

筆者 「あれ、走っていてもあまり疲れないです!」

豊村さん 「上手に呼吸ができている証拠ですよ」

最終的な酸素飽和度は?
最後のランニングマシンを終えたとき、酸素飽和度は95%までアップ。

 最終的な酸素飽和度は95%まで上がった。「これだけ、酸素を取り組む能力が身に着いたので、日常の生活の疲れ方も激減しますよ。今夜は眠りに落ちるまでの時間も早くなると思います」(豊村さん)。呼吸の方法を変えただけで、ここまで変化するとは!

心地よい疲労感で朝まで熟睡、目覚めもスッキリ!

仕上げにミネラルやビタミンを補給
「甘酸っぱさが体に染みわたる~!激ウマです!」と筆者。

 トレーニングを終えると、併設しているカフェにて、「運動で失われるミネラルの補給、ビタミンや酵素で体内の老化を防ぐ」という効果のあるスムージー「RECOVERY」をいただく。

 疲労や日常の癖によって固まった体をニュートラルな状態にするストレッチ。短時間で効率的に運動効果を得られる低酸素トレーニング。忙しいと感じるときこそ、生活の中に取り入れたいと思うプログラムだった。

 普段はなかなか上手に寝付けない筆者だが、この日は豊村トレーナーの予言通り、心地良い疲労感で、ベッドに入った途端にグッスリ。質のいい睡眠を得られたようで、翌日にはパキッと目が覚めて、爽やかな1日のスタートを切ることができた!

(撮影:村田わかな)