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【医師が語るがん体験】余命半年、僕はがんとともに生きることを決めた

金沢赤十字病院副院長・西村元一氏

 中西奈美=日経メディカル

 国立がんセンターの推計によると、日本人の2人に1人はがんになります。医師であっても例外ではありません。突然の体調不良から進行胃がんが発覚した、金沢赤十字病院の副院長、西村元一氏。がんとともに生きるとの覚悟の下、「自分の経験を役立てたい」と生まれ故郷に立ち上げたのは、患者や家族が交流する場「元ちゃんハウス」でした。(文中敬称略)

 2015年3月26日、56歳になる西村は消化器病センターの外来で患者を診察していた。なんとなく、朝から気分が優れなかった。「前日の夕食が悪かったのか?」と思いながらも、いつもと変わらず診療を続けていた。しかし、気分がさらに悪くなり、便意も催してきたので、次の患者を待たせてトイレに向かった。

突然の重い貧血とタール便

西村 元一(にしむら・げんいち)氏
金沢赤十字病院副院長、第一外科部長
1958年生まれ、83年金沢大学卒業。同大付属病院、社会保険鳴和総合病院(現、JCHO金沢病院、石川県金沢市)、金沢赤十字病院第一外科部長などを経て、2009年から現職。

 便座に腰を下ろすとすぐに意識が遠のいていく感覚に陥り、上体を起こすのもやっと。トイレの壁にもたれかかるように上体を支え、用を足した。

 5分ほどして、だんだんと正気に戻ってきたので、力を込めて立ち上がり振り返った。便器の中には黒い便。自分の体から出たとは思えないタール便に我が目を疑った。時間がたつにつれ、徐々に意識がはっきりしてきた。「潰瘍ができたのか…」と、まじまじと自分の便を観察した。

 その後は体調を考慮し、診察室には戻らず、処置室で点滴を受けた。血液検査でも貧血がひどいため、輸血の準備をしてから内視鏡検査を受けることになった。前の週に受けた検診で軽度の貧血を指摘され、そろそろ胃の内視鏡検査を受けなければいけないと思っていた矢先のことだった。

胃がんの告知を受けた直後に、妻と。妻は献身的に支え、一緒に闘ってくれた。(写真提供:西村氏)

 胃内視鏡検査は6年ぶり。最後に受けたのは金沢赤十字病院に異動する直前だ。希望すればいつでも検査を受けられる環境にいながら、忙しさにかまけて受けずに過ごしていた。胃がんが見つかる前は、「内視鏡検査は胃の調子が悪くなったら受ければいい。自分はきっと大丈夫」と根拠もなく信じていた。

 内視鏡検査の後、貧血や鎮静剤の効果が相まってショック状態となり一瞬、呼吸停止に陥った。連絡を受けて駆けつけた西村の妻は、夫の死を意識したという。人工呼吸が始まるとすぐに自発呼吸が戻り、意識も回復した。

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