日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

お知らせ

からだケア

トピックス

NHKさん大丈夫? 睡眠薬で糖尿病予防って

2月22日放送 NHK『ガッテン!』から

 粂 康晴=薬剤師、レストラン「カーボオフ」店主

(©Sergey Nivens-123rf)

 2月22日放送のNHK『ガッテン!』でトンデモナイ内容が放送されたと聞きつけまして、NHKオンデマンドで久々に視聴してみました。ちなみに、『ためしてガッテン』って、1年ほど前に番組名が『ガッテン!』に変わりました。その理由はあまり説明されていないように思いますが、試すことを重視しないというコンセプトに変更したんですかね。あと『!』も付いたんだなあ。ビックリするような情報をお届けします、ってことなのかな…。

 さて、今回のガッテン!のテーマは「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」です。まず、デルタパワーってなんじゃ?ということですが、脳波のデルタ波のことだそうです。ノンレム睡眠のときに多いとされる脳波です。深い眠りのときに出現すると言われています。このデルタ波の“効用”をデルタパワーと呼んでいるわけです。

 で、この睡眠と糖尿病の関係については、比較的古くから注目されていまして、日経メディカル Onlineでも2011年の世界糖尿病会議で発表されたコホート研究の結果が記事になっています。今回のガッテンに登場した大阪市立大学医学部代謝内分泌病態内科学教授の稲葉雅章先生も、このテーマを研究されています(ニュースリリース:睡眠障害が糖尿病の血糖改善や血管障害防止に有効な治療ターゲットであることを解明)。この稲葉先生の研究が、今回の番組のネタ元だと思われます。

 番組内でも紹介されていましたが、睡眠障害が糖尿病をなぜ引き起こすかというと、深い睡眠が取れない→ストレスホルモン(コルチゾールやアドレナリンなど)が分泌される→血糖値が上昇する→交感神経が優位になる→ストレスホルモンがもっと出て睡眠も浅くなる、という悪循環が起こるからだそうです。この悪循環を解消するべく、深い睡眠をとりましょう、と。睡眠が深まれば、ストレスホルモンが下がり、血糖値も上昇しない。だから交感神経も落ち着いて、さらに睡眠が深まるという好循環が生まれるという説明でした。

 だから、血糖値が気になる人は、深い睡眠がとれるように、日中によく体を動かしましょう! みたいな呼びかけであれば、NHKの健康番組らしい展開で何の問題もなかったわけです。実際、番組内でも「だから寝る前に軽く体を動かそう」みたいなくだりはあったんですが、それとは別のソリューションとして、「睡眠薬が糖尿病に効く!」というのがフィーチャーされちゃったんです。

 そうした研究は実際に行われているのでしょうし、研究すること自体は何も悪いことはないんですが、それをエビデンスが確立されているかのように、一般向けの健康番組で高らかにうたったら、そりゃあ、どう考えてもマズイですよねえ。

 ネット上での医療関係者のつぶやきによると、放送の翌日から「糖尿病に効く睡眠薬をくれ」という患者が全国の医療機関や薬局に押し寄せているようです。

続きは日経Gooday会員に登録するとすぐご覧いただけます。

期間限定 日経Gooday マイドクター 登録月プラス1カ月無料キャンペーン 2017年9月1日~10月31日

SNSで最新記事をチェック

RSS

最新記事を週2回お届け!

日経IDがあれば簡単30秒で登録できます。

体の不調・病気が気になる場合は…

病気の予防・治療などの限定記事が読めます。医師などの専門家に相談できます。

アクセスランキング

PR

有料会員限定記事ランキング(現在)

病気/サプリなどを調べる

デイリーコンテンツ

“男”の健康維持

このサイトについて

日本経済新聞社について