日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

お知らせ

ダイエット・食生活

トピックス

鶏肉の生食で毎年500万人の食中毒!?

「カンピロバクター」が原因、一部に神経麻痺も

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 いきなりですが、問題です。日本で報告されるウイルスによる食中毒で最も多いのはノロウイルス感染症ですが、細菌による食中毒の原因ナンバーワンは何でしょうか?

 正解は、カンピロバクターです。カンピロバクター感染症の患者は年間を通じて発生しています。この病気で死亡する危険性は低いのですが、一部の患者は感染後4週以内に、神経麻痺が生じるギラン・バレー症候群(Guillain-Barre syndrome;GBS)を発症する可能性があります。

カンピロバクターの主な感染原は生の鶏肉

カンピロバクターの主な感染源は生の鶏肉。(©Liu Chen-Chia -123rf)

 カンピロバクターは牛や豚の消化管や鶏肉に存在する細菌で、カンピロバクターに汚染された食品を食べると、2~5日後に、下痢、腹痛、発熱、嘔吐、頭痛などの一般的な食中毒症状が現れます。水分補給などを行っていれば、多くが1週間程度で回復しますが、子どもや高齢者、抵抗力の弱い人については重症化に注意が必要です。

 牛レバー、豚肉の生食が禁じられて以降は、鶏肉の生食(刺身やたたき)と加熱不足の鶏肉がカンピロバクターの主な感染原になっています。カンピロバクターは、口から入る細菌の数が500個未満、例えば生の鶏肉からにじみだしたドリップ1滴でも、食中毒を引き起こす可能性があります。

 厚生労働省の事業の一環として行われた、市販の鶏肉を対象とするカンピロバクター汚染調査では、鶏レバーの66.1%、砂肝の66.7%、鶏肉100%からカンピロバクターが見つかっています。別の調査では、鶏肉の汚染率は20~40%と報告されています。鶏肉の汚染率は農場ごとに、また年ごとに変動し、用いられる検出方法によっても異なりますが、生食の危険性は明らかです。

 なお、鶏はカンピロバクターに感染しても何の症状も示しません。

毎年の患者数は推定340万人から530万人

 カンピロバクター感染による食中毒は実際にどのくらい発生しているのでしょうか。この食中毒は、集団発生の報告が少なく、発症者が1人という事例が多いこと、原因となる食品を摂取してから発症までに2~5日かかること、下痢や腹痛などが現れても受診しない患者が少なくないこと、受診しても原因を特定するための検査が行われない場合が多いことなどから、患者数の正確な把握が困難です。

 そこで、過去に行われた複数の研究のデータを利用して、日本全体のカンピロバクター食中毒の患者数を推定する試みが行われました(*1)。その結果、2006~2011年に食品を介してカンピロバクターに感染し、下痢を経験した患者は、毎年340万人から530万人程度発生していたと推定されました。

 一方で、実際に報告された患者は非常に少なく、たとえば2011年には2341人でした(*2)。

続きは日経Gooday会員に登録するとすぐご覧いただけます。

期間限定 日経Gooday マイドクター 最大2カ月無料キャンペーン! 2017年4月1日~5月31日

SNSで最新記事をチェック

RSS

最新記事を週2回お届け!

日経IDがあれば簡単30秒で登録できます。

体の不調・病気が気になる場合は…

病気の予防・治療などの限定記事が読めます。医師などの専門家に相談できます。

アクセスランキング

PR

有料会員限定記事ランキング(現在)

病気/サプリなどを調べる

デイリーコンテンツ

“男”の健康維持

このサイトについて

日本経済新聞社について