日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

お知らせ

医療・予防

薬剤師直伝! 市販薬の選び方・使い方

なぜ薬によって飲む回数が違うの?

効き目を維持できる時間は薬によって異なります

 一般社団法人日本医薬品情報学会

添付文書や外箱の用法・用量の欄を見ると、「1日3回」「1日2回」などと飲む回数が決められているものがあります。例えば、同じアレルギーの薬でも、1日1回飲めばいいものがあれば、1日3回きちんと飲まなければいけないものがあります。なぜ、薬によって飲む回数が違うのでしょう?

薬によって飲む回数が異なる
効果を持続させるために、薬によって飲む回数が異なります。(©digicomphoto -123rf)

 前回(「薬はなぜ「食後」に飲むものが多いの?」)は、薬を飲むタイミングと食事の関係について解説しました。例えば、食後に飲むよう決められている薬は、胃の中で食べ物と混ざることで胃腸への刺激を抑えられるよう考えられています。

 薬を飲むタイミングは「食後」「食前」などのほかに、「1日1回」「1日3回」などと回数が定められているものが多くあります。今回はその理由について解説します。

有効成分の血中濃度を一定に保つ

 口から飲んだ薬は、食道・胃を通過して主に腸で吸収されます。腸で吸収された成分は、血液に乗って肝臓へ運ばれ、分解または解毒(代謝)されて全身に行きわたります。薬の成分は何度も体の中をめぐりながら、やがて尿や便として体の外に排出されます。飲んだ直後は、体内に多量に存在していた薬の成分も、時間が経つにつれ減っていきます。

 薬の効果は、血液中の薬の濃度(血中濃度)と相関しています。ある一定の血中濃度以上になると効き目が現れますが、一定濃度を下回ってしまうと、十分現れなくなってしまいます。効き目を維持するために、血中濃度が下がってゆくタイミングを見計らって、薬を再び飲まないといけないのです。

図1◎ 薬の血中濃度と薬の効果(1日3回飲む薬の場合)
薬の血中濃度と薬の効果
1日3回と定められた薬の場合、その通りに飲むことで、効き目が現れる範囲の血中濃度を維持できます。1回飲むのを忘れて、その後、2回分をまとめて飲んでしまうと、血中濃度が「効き目が現れない範囲」や「危険な範囲」に及んでしまいます。(出典:薬の適正使用協議会)
[画像のクリックで拡大表示]

 薬によって体内に滞在している時間が異なるため、飲んでから4〜8時間くらいで効果が下がってしまう薬は1日3〜4回飲む必要あり、24時間効いている薬なら1日1回でいいということになります。ちなみに、「1日1回」と定められた薬は、飲む時間帯を決めて服用間隔がだいたい24時間空くようにしましょう。就寝前に薬を飲んだ後、日をまたいだからといって、翌朝に飲んでしまうと、血中濃度が上がり副作用や中毒症状を引き起こす危険性が高まります。

長く効く薬は噛み砕いてはいけない

 利便性を考えると、1日1回の服用の方が「ラクで良い」と思うかも知れません。しかし、薬には副作用があります。体内に長く留まる薬の場合は、主作用だけでなく、副作用も長く続く可能性もあり、必ずしも服用回数が少ない薬の方が良いとはいえません。

 とはいえ、何度も薬を飲むのが面倒な人や、薬を飲むのをよく忘れてしまう人にとっては、服用回数が少ない薬を選んだ方が便利なのは確かです。近年は、有効成分が少しずつ溶け出すようカプセルや顆粒にコーティングをほどこすことによって、飲む回数を少なくした薬が多く発売されています。

 このような薬を徐放性薬剤と呼んでいます。徐放性薬剤を飲む場合は、口の中で噛んで砕いたりしてはいけません。コーティングが壊れて血中濃度が急激に上がり、副作用が出てしまう可能性があるからです。

 市販薬の飲み方について、困ったことやわからないことがありましたら、薬剤師や登録販売者に相談してください。

一般社団法人日本医薬品情報学会 OTC情報委員会
一般社団法人日本医薬品情報学会 OTC情報委員会 日本医薬品情報学会(JASDI)は、薬剤師が中心となって医薬品情報学に関する教育や研究を行うことで、薬学・医学・医療の進歩向上、国民の健康に貢献することを目的として活動しています。本会のメンバーは病院や街の薬局で働く薬剤師、薬学系大学教員、製薬や医薬品流通関連企業、薬事関連行政担当者などです。主な活動として、学会機関誌JJDIの発行、学術大会・学術フォーラムの開催、一般向けの公開講座、医薬品情報学に関する教育・研究の支援、専門薬剤師の認定などを行っています。ホームページはこちらから。

続きは日経Gooday会員に登録するとすぐご覧いただけます。

期間限定 日経Gooday マイドクター 最大2カ月無料キャンペーン! 2017年4月1日~5月31日

SNSで最新記事をチェック

RSS

最新記事を週2回お届け!

日経IDがあれば簡単30秒で登録できます。

体の不調・病気が気になる場合は…

病気の予防・治療などの限定記事が読めます。医師などの専門家に相談できます。

アクセスランキング

PR

有料会員限定記事ランキング(現在)

病気/サプリなどを調べる

デイリーコンテンツ

“男”の健康維持

このサイトについて

日本経済新聞社について