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「わたしも、がんでした」

情報はどうやって手に入れる?

病院編 がんと共に生きる、働く時代がやってきます(8)

 堀田 知光=国立がん研究センター理事長

「がんになった=仕事も、人生ももうおしまい」という時代は終わりました。いま、日本では、働きながら治療をするサポートシステムが整えられようとしています。がんと共に生き、働く時代。それを家族、医療のプロ、職場、地域社会など周囲の人みんなが支える時代がやってくるのです。

 そんな時代にがんになったら、本人は、家族は、周囲は、どう考えどう行動すればいいのでしょうか。まず、がん治療と研究に長年携わってきた立場から、現在おすすめできる具体的な対処法を説明します。

 また、がんになっても生きやすい社会にしていくためには、これから何が必要なのでしょうか。いま、私たちが取り組んでいることを紹介しましょう。

大切なのは信頼できる相談相手です

 がんと共に生きるうえで重要なのは、正確な情報の収集です。ただ、がんに関する情報は、雑誌や新聞などのメディア、インターネットにあふれ過ぎていて、どれが正しいのか、何を信じればいいのか、かえって混乱することも少なくありません。がんになったときに必要なのは、信頼できる情報を得ることです。正確な情報があってはじめて「心構え=マインドセット」は前向きになるし、「実際に何をするか=行動のマネジメント」も間違いなくできるようになります。

 入り口としては、ぜひ私たち国立がん研究センターがん対策情報センターをご利用ください。ウェブサイト「がん情報サービス」では、がんに関する知識、予防や検診、治療方法、がんとつきあうヒント、がん診療を行う医療機関などの情報を掲載しています。

 まず、『もしも、がんと言われたら』という冊子は、がんと言われて間もない方の参考になるでしょう。また、『身近な人ががんになったとき』という冊子をご用意していますので、同僚の方が、がんになった際には、こちらを参考にしていただければと思います。『患者必携 がんになったら手にとるガイド』は、患者さんにとって必要な情報を1冊の本にまとめています。これらの内容は、全てがん情報サービスのウェブサイトにてご覧いただけます。『がんになったら手にとるガイド』は書店での購入も可能です。

 また、患者さんご本人のみならず、家族の方も含めて、ひとりで悩みを抱え込まないで専門機関に直接相談するのがいちばんです。

 もっと具体的な問題を相談したくなったら、どこに行けばいいのでしょうか?

 全国各地のがん診療連携拠点病院にはがん相談支援センターがあり、社会福祉士、看護師などの専門の相談員がいますので、気軽に相談してください。その病院にかかっていなくても、相談に乗ってくれます。がん相談支援センターでは、患者さんやご家族、一般の方のがんについての不安や悩みに耳を傾け、信頼できる情報をもとに病気や治療、地域の医療機関についての情報提供や、情報探しのお手伝いをしています。

 お近くのがん相談支援センターがわからないときのお問い合わせ窓口として、私たち国立がん研究センターでも、「がん情報サービスサポートセンター」を開設しています。この窓口でご質問にお答えできない場合には、ご相談内容をお伺いして、最適な相談窓口をご案内しています。患者本人、職場の方、ご家族など、どなたでもご利用いただけます。

図1◎ まずは信頼できる情報を集めましょう
がん情報サービス」「がん相談支援センター」「患者必携 がんになったら手にとるガイド」へのリンクはこちらから。(それぞれの名前をクリックするとページにジャンプします)
[画像のクリックで拡大表示]

地域のサポートも活用しよう

 核家族化の時代になり、今ではかつてのように大家族で暮らしている人が少なくなりました。家族のサポートが重要である一方で、ひとり暮らしの方や高齢者のみの世帯も多くなっています。

 その意味では、地域社会のサポートがあらためて重要になっています。この問題はがん治療に限らず、高齢者の福祉・介護などですでに指摘されてきています。住民や福祉団体が自発的に行う活動のほか、支援に積極的な市区町村も増えてきていて、保健所や職域組合などで取り組みを進めているところがあります。普段の健康づくりや検診などを含めた支援のネットワークとして、ますます重要な役割を担っていくことでしょう。自分が暮らす地域でどんなサポートがあるのかは、お近くのがん相談支援センターや高齢者の相談窓口である地域包括支援センター、保健所や保健センター、社会福祉協議会などの相談窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。

国立がん研究センターがん対策情報センター編
『わたしも、がんでした。 がんと共に生きるための処方箋』 (日経BP社、2013年9月発行)より転載


堀田 知光(ほった ともみつ)さん
国立がん研究センター理事長
堀田 知光(ほった ともみつ)さん 1969年名古屋大学医学部卒業。独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター院長などを歴任後、2012年より現職。厚生労働省「未承認薬使用問題検討会」座長ほかさまざまな政府委員も務め、ドラッグラグ解消やがん登録推進などの課題にも積極的に取り組んでいる。

『わたしも、がんでした。 がんと共に生きるための処方箋』
(国立がん研究センターがん対策情報センター編、日経BP社)好評販売中

 医学の進歩によって、「がん=迫りくる死」ではなくなっています。実はかなり多くの人が、がんと共に社会で暮らしています。しかし、がんと共に生きることや働くことは、日本社会ではまだまだ普通のことと思われていません。がんと共に生きるとは、働くとは実際にはどういうことなのか。それを知っていただくために、本書ではがんに関わる当事者の方々に語っていただきました。──「はじめに」より

>>詳しくはこちら(Amazonのページにジャンプします)

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