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「わたしも、がんでした」

役割分担を決めて、 家族全員の「プロジェクト」に

家族編 「がんは“生きる”と向き合うプロジェクトです」(3)

 砂田麻美=映画監督

 で、あるとき、私と姉とで主治医の先生に話を聞きに行った帰り、その点で口論になったんですね。

 私が姉に対して、お父さんの病気のこと真剣に捉えてないんじゃないか?と。姉は姉で、自分はこれだけ心配してるのにどうしてそんなふうに言うのか、と。

 でもそこでお互いがお互いの感情をぶつけあったことで、自分たちがどういう風に父の病気や残された時間を捉えているか、はじめて理解できた部分が大きかった。

 がんになった本人を家族がどのように支えていくのかは、本当に人それぞれだと思うんです。正解はない。サポートの仕方も、それぞれの性格と、それぞれの得意分野を中心にやるのが、お互いストレスもたまらないし、むしろ積極的に向かい合える。

 そういう部分がわかってからは、姉や兄や母と、自然に役割分担ができるようになったんです。兄弟がいちばん結束したのも、そのときからだった気がします。

砂田麻美(すなだ まみ)さん
映画監督
砂田麻美(すなだ まみ)さん 1978年生まれ。慶應義塾大学在学中からドキュメンタリーを学び、映画製作に携わる。卒業後はフリーの監督助手として、河瀨直美、岩井俊二、是枝裕和らの製作現場に参加。2009年にがん告知を受けた父の最期にカメラを向けたドキュメンタリー映画『エンディングノート』を製作。2011年に一般公開され、監督デビュー。同作は高い評価を受け、第52回日本映画監督協会新人賞・第36回報知映画賞新人賞・芸術選奨文部科学大臣新人賞他多数受賞。2013年にはスタジオジブリを題材にした『夢と狂気の王国』を監督。第39回トロント国際映画祭正式出品の他、香港・北米で一般劇場公開された。小説に『音のない花火』(ポプラ社刊)。

『わたしも、がんでした。 がんと共に生きるための処方箋』
(国立がん研究センターがん対策情報センター編、日経BP社)好評販売中

 医学の進歩によって、「がん=迫りくる死」ではなくなっています。実はかなり多くの人が、がんと共に社会で暮らしています。しかし、がんと共に生きることや働くことは、日本社会ではまだまだ普通のことと思われていません。がんと共に生きるとは、働くとは実際にはどういうことなのか。それを知っていただくために、本書ではがんに関わる当事者の方々に語っていただきました。──「はじめに」より

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