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やさしいがんの学校

女性で最も患者数が多い乳がん、遺伝性は全体の5~10%

9時間目 乳がんについて知ろう

 田村 知子=フリーランスエディター

「やさしいがんの学校」の9時間目は「乳がん」です。乳がんは女性のがん罹患率のトップであり、現在、年間8万人を超える人が乳がんになるといわれています。一方、早期で発見・治療できれば、病後の経過が良いがんの1つでもあります。昭和大学医学部乳腺外科教授の中村清吾先生に、乳がんの基礎知識を聞きました。

乳がんとは?

 乳房は、乳腺と脂肪組織で構成されています。乳腺は乳腺葉と呼ばれる15~20個の組織の集合体で、乳頭(乳首)から放射状に広がっています。乳腺葉はさらに、母乳を作る小葉と、母乳を乳頭に運ぶ乳管から成り立っています。

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 乳がんの多くは、乳管の上皮細胞に発生する「乳管がん」で、全体の9割を占めます。小葉に発生するものは「小葉がん」と呼ばれます。がん細胞が乳管や小葉の内側にとどまっている早期がんの段階では「非浸潤がん」、がん細胞が増殖して、乳管の上皮細胞を覆う基底膜を破り、周囲の組織に広がった状態になると「浸潤がん」とされます。浸潤がんの段階になると、がん細胞が血管やリンパ管に侵入し、血液やリンパの流れにのって、ほかの臓器やリンパ節への転移につながっていきます。

 乳がんは、乳房中にできたしこりに気付いて、診察・診断に至ることがほとんどです。まれに、乳頭から血液が混ざったような分泌液が出る場合もあります。乳房の張りや痛みをきっかけに受診し、検査で乳がんが見つかるケースもあります。しかし、早期の段階ではそうした自覚症状がない場合も多いため、乳がん検診を受けることが大切です。

女性ホルモンの刺激でがん細胞が増殖

 乳がんの約8割は、女性ホルモンのエストロゲンの刺激で増殖するタイプです。エストロゲンは毎月の月経周期に合わせて分泌されます。そのため、生涯で月経の回数が多い人ほど、乳がんになるリスクが高いと言われています。

 乳がんの罹患者は、1985年には年間2万人程度と推計されていましたが、現在では8万人を超えるといわれています。罹患者が急増している要因には、栄養状態の改善による初潮の低年齢化と閉経の高年齢化、妊娠・出産経験の減少といったことから、生涯の月経回数が多くなり、女性ホルモンにさらされる機会が増えていることが挙げられます。

 また、肥満や糖尿病も乳がんのリスク要因となります。とくに近年では、閉経後の肥満が高リスクになることが示唆されており、閉経後の女性は運動によってリスクを下げられることが分かってきています。

乳がんの5~10%は遺伝性との報告がある

 近年、米国の人気女優、アンジェリーナ・ジョリーさんが「将来の乳がん予防のための乳房切除」を行ったことから、遺伝性乳がんへの関心が高まりました。欧米では乳がん全体の5~10%は遺伝性乳がんという報告がありますが、日本でも乳がんと診断された人の5~10%程度は遺伝性の可能性があると推測されています。

 「父方もしくは母方の同一家系内に乳がんや卵巣がんを経験した人が複数いる場合」や、「45歳以下で乳がんと診断された場合」「同一家系内に男性の乳がん罹患者がいる場合」などは、遺伝性の可能性が疑われます。

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