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やさしいがんの学校

生活習慣が原因の“非ウイルス性肝がん”が増加中

4時間目 肝がんについて知ろう

 田村 知子=フリーランスエディター

「やさしいがんの学校」の4時間目は「肝がん」です。肝がんは他臓器のがんとは異なり、慢性的な肝臓病から発生することがほとんどです。そのため、肝障害を早期に発見・治療することが大切です。肝がんに関する知っておきたい基礎知識を、東京女子医科大学消化器病センター消化器内科教授の橋本悦子先生に聞きました。

肝がんとは?

 肝がんには、肝臓本体から発生する「原発性肝がん」と、大腸や肺などの他臓器にできたがんが肝臓に転移して発生する「転移性肝がん」の2種類があります。このうち、原発性肝がんは発生部位によって、肝臓を構成する肝細胞にできる「肝細胞がん」、肝臓で作られた胆汁を十二指腸へ運ぶ胆管の細胞にできる「胆管細胞がん(肝内胆管がん)」に分けられます。

 日本では原発性肝がんの約9割が肝細胞がんです。そのため、一般に「肝がん」と言う場合は、肝細胞がんのことを指しています。ここでも、肝細胞がんを肝がんとして解説していきます。

多くはウイルス感染による発症

 「肝臓は沈黙の臓器」と呼ばれるように、肝がんを発症しても、かなり進行するまでは自覚症状が現れないことがほとんどです。

 しかも、後述するように、再発率が高く、5年生存率は、すべてのがんの中で最も低い部類に入ります。罹患率は、近年はほぼ横ばいで推移しているものの、非常にやっかいながんだと言えるでしょう。

 肝がんの特徴は、それだけではありません。他臓器のがんとは異なり、そのほとんどが慢性肝炎や肝硬変といった、慢性の肝臓病が進行することで起こります。

 とくに、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスの関連が高く、肝がん患者さんの約6割がC型肝炎ウイルスに、約2割がB型肝炎ウイルスに感染しているといわれています。

非アルコール性脂肪性肝炎からの進行例が増加

 ウイルス感染が原因でない非ウイルス性肝がんの場合、過度の飲酒によるアルコール性肝障害、肥満や糖尿病などによる脂肪肝がリスク要因となります。しかし、近年では、飲酒の習慣のない人でも高カロリーの食事を続けることで脂肪肝をわずらい、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)から肝硬変を経て、肝がんへと進行していくケースも増えています。

 以前は肝がんの約9割が肝炎ウイルス感染によるものでしたが、近年はC型・B型肝炎ウイルス感染者への治療が高い成果を上げているため、生活習慣が要因となる非ウイルス性の肝がんが2割を占めるまでに増加してきました。現在の30〜40代の人がいわゆるがん年齢を迎える20年後ぐらいには、非ウイルス性の肝がんの方が多くなると予見されています。

 肝がんの基礎疾患となる慢性肝炎では倦怠感、食欲不振、白目部分の黄疸、肝硬変では腹部の痛みや張り、むくみといった症状が現れることがあります。

 肝がんは、肝障害がまったくない人が発症することはまれです。したがって、肝障害を早期に発見・治療することが、ひいては肝がんの予防につながります。まず肝炎ウイルス感染の有無を調べ、感染していた場合は治療すること、肥満の原因となる食べ過ぎや運動不足、過度の飲酒といった生活習慣の改善を心がけましょう。

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