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その異常値、戻しましょう!~ STOP・メタボの12ステップ~

メタボ対策は先手必勝―音もなく進行するリスクを食い止めよ

第1章 What Is メタボ?―まず敵を知る(3)

 塚崎朝子=ジャーナリスト

 昭和世代の庶民のヒーローと言えば、寅さんこと車寅次郎。『男はつらいよ』の主題歌にある、「目方で男が売れるなら、こんな苦労もかけまいに♪」というフレーズは、泣けます。
 2008年4月に導入された「メタボ健診」では、何とも屈辱的なことに、40~75歳の中高年男女は、有無を言わさず“痛くもない腹”を測られることになりました。男であれ女であれ、その価値は体重やウエストの大小では決められません。が、「内臓脂肪に生活習慣病が重なると、多くの病気が起こる」というメタボリックシンドロームの本質を捉え、適切な対処をしなくてはなりません。

 「♪チョイト一杯のつもりで飲んで」で始まり、「♪これじゃ 身体にいいわきゃないよ 分かっちゃいるけどやめられねぇ」とうそぶく。昭和の無責任男こと植木等は、痛い本音を突いてくれる。

 さておき、メタボに関する3つめの誤解が、「メタボは病気なのだから、薬を出すための基準だろう」というものだ(1つめ、2つめの誤解については「今さら人に聞けないメタボのあれやこれや」を参照)。これは大いなる勘違いで、国も「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」と強調している。多くの場合、非常に早い段階なら生活習慣の改善でかなりの効果を上げられる。生活習慣を改めることこそが、お金もあまりかからない、もちろん副作用もない、最善のメタボ対策となる。

 「1日1万歩歩こう」「腹八分目で程々に」「ラーメンのつゆは残して」「おやつのとりすぎに注意」「ビールを控えめに」…健康診断のたびに、耳タコだ。食べ過ぎは糖尿病のリスクを高める、塩分を摂りすぎると高血圧になりやすいことなら、知っている。「分かっちゃいるけどやめられねぇ」のは、それが静かに音もなく進行するためでもある。

What Is Risk? メタボであることのリスクとは?

 複数の異常が重なったメタボになると、様々な症状が現れるような気がするが、多くの場合、自覚症状はほとんどない。血圧、血糖値、血中脂質(中性脂肪やコレステロール)の検査値も、著しく高いわけではない。そもそもメタボの診断基準の数値は、「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」と、明らかに病気の域に入ってくる値よりも低めに設定してある。

 というわけで、つい軽視されがちなのだが、メタボを放置しておくと、血管の老化、すなわち動脈硬化が、人並以上に早く進む。高血圧は、血管壁の内皮細胞に負担をかけて、血管を硬く厚く変化させる。高血糖で血管内皮細胞が傷つきやすくなり、高脂質で血液がドロドロの状態になり、血管壁にコレステロールが貯まって血流が悪くなる。喫煙も動脈硬化を進行させる。

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 そして、「その日」は突然やって来る。コレステロールの塊(プラーク)が破裂すれば、血管を塞ぎ、そこから先へ酸素や栄養が届かなくなって細胞が死滅する。これが心臓で起これば心筋梗塞、脳で起これば脳梗塞。いずれも一瞬にして命取りになりかねない病気だし、仮に一命を取り留めても、後遺症で著しく生活の質を損なうことがあることは、心しておきたい。要介護に陥った原因で最も多いのは、脳血管疾患であり、メタボがアルツハイマー病の発症を増やすという研究報告もある(*1)。

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