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その異常値、戻しましょう!~ STOP・メタボの12ステップ~

「お酒では太らない」なんてあり得ない

第9章 アルコールとニコチンへの依存―どちらもメタボの大敵〔前編〕

 塚崎朝子=ジャーナリスト

 昭和世代の庶民のヒーローと言えば、寅さんこと車寅次郎。『男はつらいよ』の主題歌にある、「目方で男が売れるなら、こんな苦労もかけまいに♪」というフレーズは、泣けます。
 2008年4月に導入された「メタボ健診」では、何とも屈辱的なことに、40~75歳の中高年男女は、有無を言わさず“痛くもない腹”を測られることになりました。男であれ女であれ、その価値は体重やウエストの大小では決められません。が、「内臓脂肪に生活習慣病が重なると、多くの病気が起こる」というメタボリックシンドロームの本質を捉え、適切な対処をしなくてはなりません。

 飲酒量は、肥満・メタボと、密接な関係にある。一般に、酒量がある一定量に達するまでは、ほぼ比例して体重は増加し、腹囲も増える。しかし、酒量があるレベルを超えて依存症の域に達してしまえば、食事も十分取らずに飲み続けるので、むしろ痩せてくるだろう。

 アルコールのカロリーは、1g当たり約7kcal。炭水化物や蛋白質の4kcalと比べて高めだが、アルコールから摂取したカロリー(エネルギー)は、食物から摂る栄養分より早く分解される。アルコールの中間代謝産物として産生されるアセドアルデヒドには毒性がある。そのため、体の解毒作用が働き、アルコールのカロリーは体に貯まることなく、熱源として発散される割合が大きい。お酒を飲んでカーッと熱くなるのは、このためだ。

 これが、「アルコールはエンプティカロリーで、飲酒では太らない」という誤解を呼ぶのだが、「エンプティカロリー」というのは、アルコールは、ビタミンやミネラルなどがほとんど含まれず、栄養素は空っぽだという意味だ。愛飲家が太るには、十分過ぎる理由がある。まず、飲酒をすると、つい食べ過ぎてしまう。酒のつまみには、脂肪分が多く高カロリーで、しかも味付けが濃い物が合う。酒も食も進んで総カロリーが増えたところに、締めのラーメンが追い討ちをかける。

 また、飲み過ぎると、肝臓に脂肪が貯まる。肝臓は、アルコールの代謝産物である酢酸から大量に合成された脂肪酸を処理できず、再び肝臓内で中性脂肪が合成されて蓄積していく。こうして、常習飲酒者は、脂肪肝にもなれば、容易に脂質異常症にもなる。腹囲も増えるのである。

お酒では太らない、は誤解です。(©Hanna Slavinska -123rf)

痛風、高血圧、糖尿病…飲み過ぎれば、すべてのリスクが上がる

 メタボに限らず、多量のアルコールによって起こされる病気を挙げればきりがない。国立病院機構久里浜医療センター院長の樋口進氏は、「アルコールによる健康障害と言うと、まず依存症が出てくるが、その手前で健康を害している人が相当数いる」と指摘する。

 樋口氏らの全国調査では、飲酒欲求の制御が利かなくなった「アルコール依存症」が約107万人。そこまで至らないまでも、アルコールによる健康障害のある人は、900万人以上と推計され、多量飲酒者(1日平均60g以上飲む人)に圧倒的に多い。2014年に「アルコール健康障害対策基本法」が施行されたのも、ことの深刻さを物語っている。

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