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その異常値、戻しましょう!~ STOP・メタボの12ステップ~

飲酒習慣がなくても怖い脂肪肝、背景にはメタボ

第7章 What Is 脂肪肝?―肝臓がんも心血管死も増える

 塚崎朝子=ジャーナリスト

 昭和世代の庶民のヒーローと言えば、寅さんこと車寅次郎。『男はつらいよ』の主題歌にある、「目方で男が売れるなら、こんな苦労もかけまいに♪」というフレーズは、泣けます。
 2008年4月に導入された「メタボ健診」では、何とも屈辱的なことに、40~75歳の中高年男女は、有無を言わさず“痛くもない腹”を測られることになりました。男であれ女であれ、その価値は体重やウエストの大小では決められません。が、「内臓脂肪に生活習慣病が重なると、多くの病気が起こる」というメタボリックシンドロームの本質を捉え、適切な対処をしなくてはなりません。

 美食家好みの高級食材と言えば、サシ入り牛肉か、はたまたフォアグラか。しかし、過食の果てに、自らの肝臓が脂肪で膨れ、霜降りになってしまったら、深刻だろう。

 かつて、ウイルス性肝炎以外で、肝臓を傷める病気と言えば、大量飲酒で起こるアルコール性肝炎のイメージが強かった。だが、現代は、飲酒習慣がない(1日当たりのアルコール摂取量が男性30g未満、女性20g未満)人が陥る非アルコール性の脂肪肝炎(NASH;Non-alcoholic steatohepatitis)が急増している。

脂肪肝はメタボの肝臓における表現型

 NASHの前段にあるのが、肝細胞に過剰に(30%以上を占める)脂肪滴が沈着した「脂肪肝」だ。飲酒歴がない人の脂肪肝は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD; Non-alcoholic fatty liver disease)と呼ばれる。この四半世紀で日本人の脂肪肝は倍増し、健康診断では男性は25%、女性も15%と高率で見つかるようになっている。女性は女性ホルモンの恩恵で肝臓に脂肪が付きにくいためだが、閉経後はコレステロール値上昇と共に脂肪肝も増えてくる。

 脂肪肝の最大の背景となるのは、ズバリ過食による肥満だ。脂肪肝はメタボリックシンドロームの肝臓における表現型ともいわれ、メタボや生活習慣病を合併している人が圧倒的に多い。肝臓はさまざまな物質を解毒するので、一部には薬剤等によって起こる脂肪肝もある。

 そこに、インスリン抵抗性、肝臓への酸化ストレスや、活性酸素を生じやすくさせる鉄貯蔵、遺伝など様々な要因が加わることで、脂肪肝の10~20%が非アルコール性肝炎(NASH)に進展するとされる。NASHはその他の肝炎と同様に、肝硬変や肝細胞がんの発生母地になり、肝臓の線維化が進んで肝硬変になれば、もはや後戻りできない。

 もちろん、肥満でメタボとなれば、一瞬で命取りになる心血管障害のリスクも急騰する。日本糖尿病学会による糖尿病患者1万8385例の死因調査によれば、8.6%が肝がん、4.7%が肝硬変で死亡していた。両者を合わせると肝疾患は13.3%で、死因1位の虚血性心疾患(10.2%)を上回る。

 また、脂肪肝は、メタボとは独立して、心血管のリスクを高める因子でもある。肝臓に貯まった脂肪に活性酸素が結びつくと、有害な脂質(過酸化脂質)に変質してしまい、肝臓に多く集まっている血液や血管も活性酸素によるダメージを受けて、動脈硬化を加速させるからだ。

(出典:『日本経済新聞電子版』2013年1月18日付記事「飲み過ぎ食べ過ぎ、脂肪肝になりやすく 肝硬変・がんのリスク上昇」)
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