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増える大腸がん、人工肛門は減少し新薬が続々登場

死亡率は男性3位・女性1位

 田中美香=医療ジャーナリスト

近年、大腸がんの増加が問題になっている。厚生労働省の2015年人口動態統計によると、がんによる死亡率のうち、大腸がんは男性3位、女性1位という高い順位だ。だが、暗いニュースばかりではない。治療の選択肢も飛躍的に増えており、肛門を温存できる割合も高まっている。診断と治療の最新事情を、がん・感染症センター都立駒込病院外科部長の高橋慶一氏に聞いた。

大腸がんの早期発見は、年1回の便潜血検査から

大腸がんは、年々死亡率が高まっています(図1)。なぜこれほど増えているのでしょうか。

高橋 はっきり特定はできませんが、大腸がんの原因は、食生活の欧米化や高齢化であるとされています。以前から肉類の関連は指摘されていましたが、2015年10月に国際がん研究機関(IARC)が「牛肉・豚肉のような赤肉、および加工肉には発がん性がある」と発表して以来、動物性脂肪を含む食事の影響が強いと言われるようになりました(編集部注:「『加工肉』の発がんリスク、日本人への影響は?」を参照)。

 ただし、肉をたくさん食べた人すべてが大腸がんになるわけではありません。運動不足のほか、さまざまな要因が絡んでいます。

図1 大腸がんの死亡率は男女ともに年々増えている
出典 厚生労働省 2015年人口動態統計
[画像のクリックで拡大表示]

年1回、健康診断や人間ドックの便潜血検査を受ければ、大腸がんを早期発見できるのでしょうか。

高橋 便潜血検査は、大腸における微量な出血の有無を調べる検査で、陽性であれば、大腸がんの可能性があることを示します。ただし、痔やポリープなどの出血でも陽性になるため、陽性者のうち、精密検査で大腸がんが見つかる割合は3~5%程度です。便潜血検査で通常行われるのは、連続する2日間の便を採取して調べる2日間法です。これは、バスタブに血液が1滴入った状態でも陽性かどうかわかるほど、検出感度が高い検査です。

 便潜血検査は、簡便で安全な検査であり、大腸がんの可能性を拾い上げるきっかけとして重要です。1回でも便潜血検査が陽性になれば、大腸内視鏡検査を受けてほしいと思います。便潜血検査の結果が陽性にもかかわらず、「どうせ痔だから」と精密検査を先延ばしにしたら、大腸がんだったということもあります。症状が出る頃には手遅れになる恐れもあり、無症状のうちに発見するのが一番です。

 ただし、便潜血検査が陽性でも、内視鏡検査でがんが見つからないこともあります。大腸はヒダが多く曲がりくねっているので、小さな病変を発見しづらいのです。1cmを超える大きさのポリープやがんならまず見逃しませんが、小さく平べったいがんが、たまたまヒダの間にあれば、内視鏡が通り過ぎる恐れもあります。1回の内視鏡検査で異常が見つからなくても油断せず、次の機会に再び便潜血検査が陽性なら、必ず内視鏡検査を受けてほしいと思います。

 また、便潜血検査は優れた検査ではありますが、出血のない、ごく早期の大腸がんを見つけ出すことはできません。より早期で見つけたい場合は、便潜血検査の結果にかかわらず、任意で大腸内視鏡検査などを受けることをお勧めします。

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