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胃の一生はピロリ菌に感染しているかどうかで決まる

ピロリ菌除菌で胃がんも胃潰瘍もほぼ防げる時代に

 田中美香=医療ジャーナリスト

胃の中に棲みつく、悪名高いヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)。2013年2月、保険診療でピロリ菌の除菌治療を受けられる対象が拡大されて以降、ピロリ菌を除菌する人が増加しています。ピロリ菌除菌のメリットは何か、どのようにして除菌するのか、そして、胃がんや胃潰瘍といった胃の代表的な病気とピロリ菌の関係について、独立行政法人国立国際医療研究センター理事・国府台病院長の上村直実氏にうかがいました。

胃の病気に深くかかわっているのは、ストレスよりもピロリ菌である

「ストレスで胃が痛い」「たばこの吸い過ぎで胃が荒れる」と言う人がいますが、実際はどうなのでしょうか。ピロリ菌との関係も含め、現在の定説を教えてください。

ピロリ菌がいたら即退治、が常識に。(©decade3d-123rf)

上村 ピロリ菌が発見されたのは1983年、わずか30年前のことです。以後、ピロリ菌が胃炎・胃潰瘍の原因であることが判明し、ストレスやタバコから起こるという概念が完全に覆されました。胃潰瘍は一度治っても再発する、一生の病気だと言われていたのが、ピロリ菌を除菌すればほとんど再発しなくなるという事実が報告されたのです。

 その後、薬剤によって起こる潰瘍の存在も明らかになりました。ピロリ菌に感染していない人を対象に、どのような状況で胃潰瘍が起こるかを研究した結果、約8割はアスピリンに代表される非ステロイド性抗炎症薬と呼ばれる消炎鎮痛薬(Non-steroidal anti-inflammatory Drugs: NSAIDs)が原因の潰瘍(NSAID潰瘍)であることがわかったのです。ピロリ菌に感染していない人や、NSAIDsを飲んでいない人に胃潰瘍が起こることはまれで、起きるとしても、胃潰瘍の患者さん100人のうち1人いるかいないかという程度です。

ストレスがあっても、ピロリ菌に感染していなければ胃潰瘍になりにくいということでしょうか。

上村 そうです。このことは、1995年の阪神淡路大震災に際して行われた研究で明らかにされました(*1~3)。

 胃は強力な胃酸を分泌して食物を溶かすとともに、侵入してきた細菌を殺して体を守る働きをしています。この強力な胃酸が胃の壁を傷つけないのは、胃粘膜が胃を守っているからです。ここに心身のストレスが加わると、迷走神経が活発になって胃酸がたくさん分泌されます。これにより、胃粘膜が胃酸の攻撃に耐えきれなくなって胃壁が傷つき、胃潰瘍ができるのだと考えられていました。

*1 千葉勉. 胃・十二指腸潰瘍の基礎・臨床研究,今後の展望. 日本臨床. 2004;62:429-434.
*2 Matsushima Y, et al. Gastric ulcer formation after the Hanshin-Awaji earthquake: a case study of Helicobacter pylori infection and stress-induced gastric ulcers. Helicobacter. 1999 Jun;4(2):94-9.
*3 Yamamoto N, et al. Influence of Helicobacter pylori infection on development of stress-induced gastric mucosal injury. J Gastroenterol. 2000;35(5):332-40.

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