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おとなのカラダゼミナール

皮膚の傷跡が残る場合と消える場合、何が違う?

皮膚には傷をきれいに消すための限界ラインがあった

 伊藤和弘=フリーランスライター

早く治り、痛みも少ないモイストヒーリング

 傷の治し方として、最近は「モイストヒーリング」(湿潤療法)が広まってきた。

 これは水を通さないフィルム剤などで傷から出てくる浸出液をキープし、乾燥を防いでカサブタを作らないようにする治療法だ。実は歴史も古く、1962年には英国で動物実験が行われ、「Nature」誌に論文が発表された。「モイストヒーリングは現代の創傷治療の基本です。早く治るし、痛みも少ない」と市岡教授は話す。

 「カサブタは表皮がなくなった部分を保護するためにできますが、表皮の再生を遅くする側面もあります。また、浸出液の中には傷の治癒を促進する因子が含まれている。そのため、保持したほうが早く治るわけです」

 ドラッグストアでもモイストヒーリング用のバンソウコウが市販されているので、試しに使ってみるのもいいだろう。

 ただし、注意しなければいけないのは感染症だ。細菌がいる状態でモイストヒーリングを行うと、菌が大繁殖してしまう。モイストヒーリング用のバンソウコウを貼るのは、傷ができてすぐ。貼る前には傷口を洗い、異物や細菌をしっかり洗い流すことが原則だ。

 消毒薬を使うべきではない、という意見もよく聞く。消毒薬によって正常な細胞もダメージを受け、治りが遅くなるというのだ。確かにその通りなのだが、「傷の治りを最も悪くするのは菌が感染すること。汚れた刃物でついた傷など、感染のリスクが考えられるときは消毒薬を使うことを勧めます」と市岡教授は注意を促す。

 傷そのものは一見大したことがなくても、病院に行ったほうがいい場合もある。以下のような傷は軽く考えず、必ず医師に診てもらおう。

医療機関を受診するべき傷
●2~3分圧迫しても血が止まらない
●筋肉や腱が見える深い傷
●傷口がギザギザになっている
●広範囲にわたっている
●動物や人にかまれた(感染のリスクが高い)
●異物が入っていて水で洗っても取れない
●水ぶくれができたやけど

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