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左党の一分

グラスによって、お酒の味はどう変わるのか?

グラスの形状を科学する! 舌の上の流れ方でお酒の味わいが変化

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

 早いもので、今年もあと数日を残すのみとなった。大晦日やお正月は、いいお酒を開けるという方もいるのではないだろうか。そんなときこそこだわってほしいのが、お酒を飲む「器」「グラス」だ。今回は、年末年始に心ゆくまでいいお酒を楽しむための特別編として、お酒の味わいとグラスとの関係を取り上げる。
 左党なら「いいお酒をフルに楽しむにはいいグラスでないと!」というこだわりの方も多いだろう。だが一方で、「グラスってそんなに大切なの?」と半信半疑の人も少なからずいると思う。そこで、オーストリアの名門ワイングラスメーカー・リーデルの専門家にグラスと味わいの関係について話を聞いた。

酒は酒器で味が大きく変わる

 読者のみなさんは自宅で酒を飲む時、どんな酒器を使っているだろうか?

 案外多いのが、旅先などで買ったお気に入りのグラスで、芸術品として、またはノスタルジーとして、酒よりもグラスを楽しんでいるタイプ。もちろんこれも悪くはない。だが、酒は酒器で味が大きく変わると知ったら、左党なら「その酒に合ったグラスで、もっとおいしく酒を飲みたい!」という思いが頭をもたげるのではないだろうか?

 そう、酒の味は選ぶグラスによっておいしくもなれば、まずくもなる。どうせ飲むなら、やっぱりおいしいほうがいい。そこで今回は、世界のワイン愛好家やレストランで愛用されているオーストリアの名門ワイングラスメーカー・リーデルで、テイスティングマネージャー/チーフ グラスエデュケイターを務め、ご自身がソムリエでもある庄司大輔さんに、グラスの違いによる味の違いについて実践を交えながら話を伺った。

5つのワイングラスでワインを飲み比べてみた。いずれもリーデル製のグラス(各グラスの形状は次ページの図を参照)
[画像のクリックで拡大表示]

数万円の高級ワインでもグラスを間違えるとおいしさ半減!

 ワイン好きならご存じの方も多いと思うが、ワイングラスにはさまざまな形状がある。リーデルが提供するワイングラスは、カベルネ/メルロー用、ピノ・ノワール用などをはじめとして、すべてのシリーズを含めると約160種類もあるという。小ぶりなもの、大ぶりなもの、すぼまりが強く丸っこいものから、縦長のものまで、実にさまざまなだ。また、リーデルはワイングラスメーカーとして有名だが、実は日本酒(大吟醸)用の専用グラスもラインナップに用意している。庄司さんによると、ワインはもちろん日本酒もグラスによって香りや味わいが変わってくるという。

 「最近は、日常的にワインを自宅で楽しむ方が増えています。それはとてもうれしいのですが、その一方で意外と重要視されていないのがグラスです。みなさんが思っている以上にグラスはお酒の味に影響を及ぼします。数万円もする高級ワインでも、グラスの選択を間違えるとおいしさは半減。お酒のキャラクターに合ったグラスを選ぶことが、そのお酒を最大限においしく飲むための大きなファクターなのです」(庄司さん)

 ソムリエの資格も持つ庄司さんに力説されると、今までものすごーく損をしてきた気分になる。庄司さんは、熱く語りながら、5つのグラスを用意してくれた。

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