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左党の一分

このまま飲み続けたら薄毛になる!?

ネットに流布する「アルコールは薄毛の原因になる」は本当か

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

 このほか、小林さんによると、「ビタミンB群、ビタミンCもとってください」と話す。ビタミンB2は頭皮の健康を守ってくれる存在で、不足すると頭皮が荒れてフケやかゆみの原因になるという。ビタミンB6はアミノ酸の代謝を助け、亜鉛の働きをサポートする。また、ビタミンCは、タンパク質の合成に欠かせず、さらに亜鉛の吸収率をアップさせる。

 ビタミンB2は、レバー、卵、大豆、乳製品などに、ビタミンB6はカツオ、マグロ、イワシなどに、そしてビタミンCはブロッコリー、パプリカ、レモンなどに多く含まれているので、特に留意してとるといいだろう。もっとも、これら代表的な食材を見ると、いずれも特殊なものはなく、すぐに入手できるものなので、意識さえすれば日常にすぐ取り入れられそうだ。

 なお、昔から「昆布やワカメなどの海藻がいい」などとよくいわれる。これはどうなのだろうか。「確かに、海藻にはビタミンやミネラルが豊富に含まれているので、適度に摂取することはお勧めですが、これらを大量にとったからといって薄毛を防げるわけではなく、逆にとりすぎると甲状腺機能障害を呈してしまいます」(小林さん)

朝シャンと夜シャンのどちらがいい?

 また「日々のシャンプーも大切なケアの一つ」と小林さん。

深酒した夜は、髪を洗わずに寝てしまう人も多いのでは? (c)Inspirestock International - Exclusive Contributor -123rf

 「濡らす前にマッサージして角質を浮かせ、アミノ酸系のシャンプーの泡で洗うといいでしょう。洗う際は指の腹を使って丁寧に。きれいに流したら、しっかりとドライヤーで乾かしましょう」(小林さん)

 また、さまざまな研究から、頭皮マッサージも薄毛対策効果が期待できるのだと小林さんは話す。「細胞の再生において刺激を加えると、細胞分裂が促進されるなど効果があることは分かっていますが、どの方向に、どのくらいの力を加えればいいかなど、細かいことはまだ解明されていないのが現状です」(小林さん)

 深酒した夜は、アルコールによる酔いが原因で、ヘアスプレーやワックスが大量についたまま、泥酔して、髪を洗わずに寝てしまう人も多いと思う。実際、私もこういった経験が多くあり、かねがね気になっていた。

 これについて小林さんは、「程度にもよると思いますが、酔っぱらって髪の毛を洗わないことが多かったとしても、それが直接すぐに薄毛に結び付くかといったらそうではありません」と話す。

「よく朝シャンと夜シャンのどちらがいいかということを聞かれますが、どちらが薄毛の予防に効果的かという医学的エビデンスは存在しません」(小林さん)

 なるほど、そうだったのか。ネットの「夜シャンが薄毛にはいい」などという記事を鵜呑みにして、「薄毛になるまい」と酔っても必死でシャンプーしていた自分がちょっと情けない…。

        ◇        ◇         ◇

 今回の取材で、薄毛の原因やその防止策を躍起になって聞こうとする私たちを諭すように、小林さんは、毛髪のことだけを考えるのではなく、体全体の健康を第一に考えることが何より大事なのだと繰り返し話してくれた。そして、薄毛対策においては、メンタル面、つまりストレスの影響がとても大きいのだという。

 「薄毛を気にされている人にとっては非常に難しいことですが、必要以上に気にしないでストレスをためないことが薄毛予防にはいいと言えるのです」(小林さん)

 飲酒については「適量」という縛りはあるけれど、ドクターのお墨付きがもらえたのはありがたい。これで安心して酒を飲むことができそうだ。

小林一広(こばやし かずひろ)さん
メンズヘルスクリニック東京 院長
小林一広(こばやし かずひろ)さん 1962年生まれ。北里大学医学部卒業後、同大学病院でメンタルヘルスケア中心の医療に従事。1999年に頭髪治療専門の城西クリニックを開院。精神科医として心身両面からの頭髪治療に力を注ぐ。2014年にメンズヘルスクリニック東京に名称を変更。著書に『病はケから』(幻冬舎)。
酒好き医師が教える再考の飲み方

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