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「お酒でクスリ」はギリギリセーフ?

お酒で薬は厳禁! 薬が効きすぎて深刻な事態に陥る危険も

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

薬が効きすぎてしまうことが!

 「アルコールは多くの薬の働きに影響を及ぼします。その影響は薬によっても異なりますが、典型的な影響として、薬の作用や副作用を増強してしまう危険性があります。ご存じの方も多いと思いますが、アルコールも薬も肝臓で代謝されます。その際、使われるのがCYP2E1(チトクロームP450)などの代謝酵素です。通常の人が薬とアルコールを併用した場合、この酵素を双方で奪い合う形になるのです」

(©wong yu liang -123rf)

 「あくまで例えですが、仮に代謝酵素によって、通常は50%代謝される薬があったとします。これがアルコールによって、代謝酵素を半分奪われてしまう形になると25%しか代謝されなくなります。すると薬の成分の75%が血中に入ってしまうことになります。当初、半分が代謝されるという前提で処方された薬の量なのに、実際には、より多くの量を飲んだのと同じことになってしまうわけです。これによって薬理効果が増える、つまり効きすぎてしまうのです」(飯嶋さん)

 なんと、アルコールによって薬が効きすぎてしまうとは! 確かにそれは、カラダによくないだろう。

 その一方で、「反対に日常的にアルコールを常飲している方は、普段から酵素活性が高いため、薬を代謝し過ぎてしまい、効きにくくなるといった弊害も出てきます」(飯嶋さん)という。

命にかかわる重篤な症状を引き起こす可能性も

 うーむ、薬が効きすぎるのも効かないのも含めて、「お酒で薬」にはリスクがいっぱいありそうだ。飯嶋さんに具体的な薬を例に挙げてもらいながら、より詳しく教えていただいた。

 「薬理効果を促進させる薬の一例として、血栓症の治療に用いるワルファリンが挙げられます。通常の人がアルコールと併用すると効きすぎてしまい、出血する恐れがあります。脳など出血する場所によっては、命にかかわる重篤な症状を引き起こす可能性があるのです」

 「一方、日常的にアルコールを常飲している方の場合は、先ほども触れたように、薬が効きにくくなります。常飲者は酵素活性が高すぎることにより、特に飲酒しないときには薬を代謝し過ぎてしまい、血中に入る成分が少なくなります。これにより、体内で血栓が生成されやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まるのです」

 「また、糖尿病の治療に使われるメトホルミンなどは、過度のアルコール摂取が体内における乳酸の代謝を減少させます(乳酸アシドーシス)。乳酸が過剰になると中枢神経や消化器系に悪影響を及ぼすことがありますので、特に注意が必要です」(飯嶋さん)

 こ、怖いっ。悪酔いするくらいならまだしも、薬によっては命の危険性があるなんて!とはいえ、これらの薬は、特定の病気の際に、処方箋によって出されるもの。該当する病気でない人は、「私には関係ない」と思っているかもしれない。

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