日経グッデイ

ママチャリライダーがセンチュリーライドを目指してみた

勘違いだらけだったクロスバイクの乗り方・降り方

ヘルメットのかぶり方にもダメ出しを受ける

 中西 奈美=日経Gooday

 近所の公園でクロスバイクの自主トレを始めた私。自分ではひらりと乗ったつもりでもまだその姿がぎこちなく、乗ったものの降り方を忘れて凍り付き…。一人で乗りこなすにはまだ不安が感じられたので、本企画でアドバイザーをお願いしているサイクルライフナビゲーターの絹代さんに乗り方を総点検してもらうことになりました。

 まずツッコミが入ったのは、絹代さんの目の前でヘルメットをかぶった瞬間。

 絹代さん 「あれ? ヘルメットのかぶり方がおかしくないですか?」

  「えっ!?」

額を出してかぶる方が、視界が遮られないような気がしていましたが…。
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 そういえば言われるまで、ヘルメットのかぶり方なんてまったく意識したことがありませんでした。慌てて手鏡で確認すると、まるで普段かぶっている帽子のように、額が丸出し。「深くかぶり、額をしっかり覆わないと、転倒した際に、額や顔面の傷、前頭葉(脳の前側の部分)への衝撃が避けられないですよ」と絹代さんから指導が入ります。

 また、あご紐の調節も大切で、「きつすぎず、緩すぎない長さ」で固定するのが良いそうです。転倒した時にヘルメットが脱げてしまい、大ケガにつながったケースを絹代さんは知っているとのこと。指が1~2本入るくらいにベルトを調節してもらい、再度、ヘルメットを装着。

ヘルメットのかぶり方を教えてもらうなんて、人生初めての経験です。
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ようやく正しい位置に。確かに深くかぶる方が、頭が守られている感じがあります。
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 いざ、絹代さんにチェックしてもらうべく、自転車にまたがりました。

勘違い【その1】 自転車は立てた状態でまたぐ!?

 毎回、意気込んで脚を上げていましたが、サドルが高くてまたぎにくい…。実はいつもサドルに脚をぶつけるのではないか? バランスを崩すのではないか? と不安に思っていました。絹代さんにそのことを打ち明けると、「自転車が全然傾いていないからですよ。もっと自分の方に傾けた方がラクになります!」と明快なアドバイスが。

またぎ方に関する絹代さんのお手本。こんなに倒してもいいの!?と思わず目からうろこが落ちました!
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 絹代さんのお手本を見せてもらうと、「自転車をこんなに傾けてもいいの!?」と、思わず目を見張るほど自転車が斜めになっています。以前も一度見せてもらっていたはずなのに、ママチャリでは自転車を傾けて乗ることなんてないので、頭に入っていなかったのです。

 自転車をしっかりと傾けてサドルやトップチューブの位置を低くすると、今度は脚をそれほど高く上げなくてもまたげるようになりました。

勘違い【その2】 こぎ出したらすぐにサドルに着席!?

十分に加速しないとハンドルはふらつき、視線が遠くに行きません。
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 上手にまたげたので、ようやく走り出します。すると、「腰を下ろすのが早すぎますよ! ペダルは右足、左足の順に踏み込んで、最後にサドルに腰をおろしましょう」と次のアドバイスが。いつものクセで、右足でペダルを踏み込みと同時にサドルに腰をかけていたのです。

 絹代さんによると、走り始めにペダルに体重をかけて十分加速しないと、ふらついてしまうとのこと。「特に公道では、ふらつきは大事故の元になるので、しっかり走り出すことが大切です」(絹代さん)。

 確かに私はペダルのこぎ出しがゆっくりだったので、倒れないように無意識のうちにハンドルを左右に動かし、バランスを取ろうとしていました。しかも、目がハンドルや前輪に行ってしまうので、わずかな時間ですが前方を確認できていません。これは危険です。

 両足でペダルをしっかり踏み込んで加速すると、ハンドルはふらつかずに安定しました。視線も遠くをキープ。

勘違い【その3】 ブレーキは止まる直前にかければいい!?

 そして最後は、自主トレ(前回記事「乗れたけど、降りられない!」)で、頭が真っ白になってしまった自転車の降り方です。この日もサドルからの体重移動がぎこちなくなってしまい、勢いよくペダルから両足を外して、飛び降りるように着地してしまいました。

またしても止まり方に失敗…。ペダルから飛び降りるように着地したところ。
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 「減速が急すぎますね。スピードを十分落としてから両足(ペダル)に体重を乗せ、左足を地面に着いて止まりましょう」と絹代さん。

 ママチャリに比べてスポーツバイクはブレーキが良く効きます。重量があるママチャリ(子供を乗せているとなおさら)と同じ感覚でブレーキをかけると、スポーツバイクはキュッと勢いよく止まってしまい、乗っている人は前に押し出されてしまうのです。

 私のぎこちない降り方は、この“止まる直前のブレーキ”が原因だとわかりました。なるほど、そうだったんですね…。

 いくつもの勘違いに気が付き、大きな収穫を得た今回の総点検。「頭で考えるより、乗る機会を増やして慣れることが大切ですよ!」と絹代さんは明るくアドバイスしてくれました。 「確かに、“習うより慣れよ”ですね」と答えると、「じゃあ、次は25kmのポタリング(*)に参加してみましょうか」と思わぬお誘いが…!

 !! まだ家の近所を乗り回す程度なのに、25kmなんて走り切れるかな!?

 私が返事に迷っていると、「疲れたら休んでもいいし、初心者でも完走している人ばかりだから大丈夫です。完走できると自信が持てるようになりますよ!」と絹代さんから力強いお言葉。その言葉に背中を押してもらい、思い切って参加することに決めました。

 さて、どうなるでしょうか。そのレポートは後日お届けします。

*ポタリングとは…「ぶらぶらする」という意味の英単語potterから派生した言葉で、自転車に乗って気ままに回ること。イベントとして多くの参加者を募るものも増えてきており、決められたスタートとゴールの間で寄り道をして楽しむ。

自転車5万3800円(税別)(CYLVA F24:ブリヂストンサイクル)

(写真:横川 誠)

絹代(きぬよ)さん
サイクルライフナビゲーター・健康管理士・自転車活用推進研究会理事・飯田市エコライフコーディネーター
絹代(きぬよ) 1975年横浜市生まれ。東京大学農学部卒業後、国際協力事業団(JICA)勤務を経て、英国大学院で身体運動と栄養について学ぶ。自転車ロードレースの実業団、日本代表の広報スタッフも経験。現在は雑誌、TV、ラジオなどのメディア、各種イベントで、MCや、自転車フィットネスの提案を行うなど、自転車を軸に健康、美容、エコのフィールドで活躍中。また、自転車を使った町おこしや、女性のためのイベント、子ども自転車教室のスタッフも務めるなど、自転車の活用や普及、啓発のためにも積極的に活動している。近著に『チャリーナのための自転車BOOK』(幻冬舎エデュケーション)『自転車でカラダとココロのシェイプアップ』『自転車と旅しよう!』など(ともに枻出版社)がある。