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【トルコ発】「ふくよかなヒップ」「恰幅のいい腹」が王座陥落?

公園が市民の「無料のスポーツサロン」に変わる

 高谷一美=トルコ在住ライター

十数年前には「国家破産寸前」とまでいわれた状態から、今やG20の一角を担うまでに経済成長を遂げたトルコ。この急激な経済発展は、同時にイスタンブールやアンカラといった都市生活者を運動不足に導いたとされる。こうした中、政府をはじめとする行政が牽引する形で、心臓病、高血圧、糖尿病などの生活習慣病予防に運動が重要であるとの健康啓蒙が国民に向けて行われてきた。2023年の建国100年に向けた目標の一つに「スポーツ大国」を掲げるトルコでは、有料・無料のスポーツサロンが急激に増加し、国民の運動習慣に対する注目度が高まりつつある。

公園の運動器具エリアが市民の「無料のスポーツサロン」

 2020年の五輪開催地を巡って、東京と最後まで火花を散らしたのがイスタンブールだったことは記憶に新しい。トルコが五輪開催を悲願しているのには、二つの大きな理由がある。一つは、トルコが建国して以来、政治や宗教、経済の波に揺さぶられ続けた不安定な時代を経て、今やっと一流国の入り口に手が届きかけていることから、最大級の国際イベントを開催して「世界から認められたい」という狙い。もう一つは、国民の健康維持に重要なスポーツ(運動)習慣の定着に向けて、五輪をその旗印にするためである。

 国をはじめ市や区といった行政が、スポーツの国際イベントの招致・開催を積極的に進めるとともに、都市部を中心にスポーツ施設を新設し住民向けの無料のスポーツスクールを開催するなど、熱心に活動を行っている。とりわけ、住宅地にある公園に設けられた野外運動器具のあるエリアは、「無料のスポーツサロン」と呼ばれて住民たちの評判となり、ちょっとした運動ブームにもなっている。

イスタンブールのアジア側からスタートし、ボスポラス海峡を渡りヨーロッパ側へ渡る市民マラソン「インター コンチネンタル ユーラシア マラソンレース」が、ここ数年の市民のスポーツ人気に合わせて、参加者を増やしている。写真は2010年10月17に開催された第32回大会。(©Ahmet Ihsan Ariturk-123rf)
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 トルコにある公園のこれまでの利用者は、退職した老人や子連れの母親がほとんどだった。しかし、民営のスポーツジムにあるものと同じような効果が期待できる運動器具が設置されたことによって、働き盛りの父親たちや若者、主婦なども集まってくる場所となったのだ。

 そもそも野外運動器具は、2007年にイスタンブール市のアジア側にある公園から取り付けられ始めたが、数年のうちに20カ所に増えた。やがて市が住民たちの運動習慣の定着効果を認めると、野外運動器具を設置する事業に本格的に乗り出し、今や市内に全468カ所、運動器具数にして4502台が公園や緑地など設置されている。市はこのほかにも延べ72.635kmにも及ぶウォーキング・ランニングコースも新設しており、市民が運動やスポーツをする機会が確実に増えている。

外出の機会を増やし、“ご近所付き合い”も復活!?

 「無料のスポーツサロン」が人気を集めているのは、有酸素運動など目的に合わせた本格的な運動が気軽にできるためだ。通常の民営スポーツサロンは、施設規模が大きいものは「スポーツクラブ」と呼ばれ、ジムやフィットネス、プールをはじめ、ヨガやダンスなどの個人レッスン、テニスコート、バスケットコート、オーガニックフードカフェ、託児所などを併せ持つ。高級レジデンスやショッピングモールの中への出店が多い。

 ただし、会費は日本円で月額1万~4、5万円までと全体的に高額。クラブに入会してもメンバーの運動量は平均週1時間ともいわれており、エクスクルーシブでヘルシーなイメージを求める人たちの社交場の役割を果たしている側面もある。こちらも破竹の勢いで増えているが、一般庶民にはまだまだ敷居が高いのである。

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