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高額な免疫療法の途中キャンセルは不可能?

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、プライバシーに配慮した上でCOMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2014年12月号からの転載です)。

 73歳の母に大腸がんが見つかり、半年前に手術を受けました。少し進行していたがんだったので、術後は抗がん剤による治療を続けています。

 私(息子)は進行がんと聞いて心配になり、インターネットでさまざまな情報を調べました。すると、免疫療法で効果があがっている患者さんの体験談が見つかり、とても関心を持ちました。母の担当医に相談すると、「インターネットでは効果があるように書いてあったとしても、科学的な根拠に基づいているとは思えないので、あまりお勧めできません」と言われました。でも、私は手術と抗がん剤だけでは心配だったので、せめて直接話だけでも聞いてみようと思い、免疫療法をおこなっているクリニックを訪ねてみました。

同意書への安易なサインは禁物。(©Dmitriy Shironosov /123RF.COM)

 免疫療法を実施しているドクターの説明では、思った以上に効果があるようでした。すっかりその気になった私は、母に相談せず免疫療法を受けることを決め、同意書にサインしました。そして後日、「先生がお勧めしないと言っているのに……」と渋る母を説得して、リンパ球の培養に必要な採血を受けるため母を伴って免疫療法のクリニックを受診しました。採血のあと、初めてお金の話になったのですが、「本日は初診なので、初診料と培養の費用として32万円お支払いいただきます」と言われました。心配になって、「今後必要になる費用を含めて、総額でおいくらぐらい治療費がかかるのでしょうか」と尋ねたところ、「だいたい200万円前後です」と言われました。

 いろいろ調べて高いだろうと思ってはいたのですが、私の想像をはるかに超えた金額でした。すでに採血を終えたので、その段階でやめますとも言えず、ただ32万円は持ち合わせていなかったので、後日振り込むことで了承してもらえました。

 帰宅して冷静に考えると、最初に説明を聞いたときに費用の話をしてもらえなかったし、何かいいことばかりを強調した話のように思えてきました。そこで、母とも相談し、翌日キャンセルの電話を入れたのです。すると、「すでに培養作業に入っているのでキャンセルは不可能です。せっかく培養するのだから、1回だけでも治療を受けたらどうですか」と言われました。改めて同意書を読んだら、「費用は別紙参照」とあり、そのことにも同意の意思表示をしていたことがわかりました。32万円は支払わないといけないのでしょうか。

COMLからのアドバイス
同意書にサインして、採血まで終えてしまったとしたら、「途中でやめることにしたので、費用は一切支払いません」というのは通らないような気がします。同意書には、途中で治療を中止した場合のことについては触れられていないとのことでした。とすれば、培養を最終段階までおこなわないということで費用の減額が可能かどうかの交渉をするぐらいしかないと思います。やはり、何か契約するときは納得いくまで説明を受け、冷静かつ慎重に判断することが大切です。
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。
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