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検査で大腸に“ちょっと”穴が開いた!?

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、COMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2014年10月号からの転載です)。

 68歳の母が健診で便に血が混じっていると指摘されました。近くに消化器専門のクリニックがあると聞き、そのクリニックで大腸ファイバー検査を受けることにしました。検査の前、クリニックの院長から「ポリープができている可能性があるので、大腸ファイバー中にポリープが見つかれば、そのまま切除するかもしれません」と言われ、同意書にサインを求められました。そして1週間前、母は大腸ファイバー検査を受けたのです。

大腸に穴が開く(穿孔)は、大腸ファイバーの合併症やリスクではあるのだが…(©rob3000 / 123RF.COM)

 検査では、ポリープが3つ見つかったらしく、「すべてきれいに切除できました」と言われました。ところが、検査が終わって帰宅し、しばらく経つと、母が腹痛を訴え始めたのです。慌ててクリニックに連れていき、症状を伝えたところ、腹部のX線撮影がおこなわれました。診察室で電子カルテに映し出された腹部X線の画像を見ながら、院長は軽い調子で「大腸にちょっと穴が開いているようですね」と言うのです。

 しかし、慌てる様子もなく、何の対応もしようとしないので、私は「ちょっと開いた穴」をどう受け止めていいのかわからず戸惑いました。仕方なく、そのまま診察室を出たのですが、母は痛みがますます激しくなってきたと訴えます。そこで私は「このクリニックでは信頼して任せられない」と判断し、すぐに総合病院に車で連れていきました。

 総合病院では改めて検査がおこなわれたのですが、やはり大腸に穴が開いていると言われ、緊急手術になったのです。手術後ドクターからは「肛門の少し上の大腸に穴が開いていたので、開腹して閉じる処置をしました。しかし、今後の経過次第では人工肛門をつける必要性があり、入院も2~3カ月に及ぶかもしれません」と言われました。

 そんな大変な状態だったのに、クリニックの院長が何の対応もしなかったことに憤りを感じ、術後の説明のあと、すぐにクリニックに電話をして状況を伝えました。すると、すぐに院長と事務長が病院に駆けつけてきたのですが、私の顔を見るなり「大腸に穴が開いたのは医療ミスではありません。お母さんの大腸が弱かったからです」と言うのです。

 私が「穴が開いた原因はともかく、開いているとわかっているのに何もしなかったことが問題ではないのですか」と言うと、「今後のことは代理人である弁護士とやりとりしてください」と言うなり、逃げるように帰ってしまいました。私はその態度に呆れてしまい、怒りすら湧いてきませんでした。

 手術から約1週間経ち、いまのところ母の状態は落ち着いています。しかし、ドクターからは「まだ予断を許さない状況」と言われています。今後、どのようにしたらいいのでしょうか。

COMLからのアドバイス

 大腸ファイバー検査を受けると、必ずと言っていいほど事前に「検査後に腹痛が起きたら、すぐに医療機関に連絡してください」という注意があります。これは大腸ファイバーの合併症やリスクとして、大腸に穴が開く(穿孔)可能性があるからです。それだけに、大腸に穴が開いていると判明したにもかかわらず、何の対応もしなかったということ自体、信じられない思いでした。

 確かに、「大腸に穴が開いたこと」=「医療ミス」と言えないかもしれませんが、相談者の言うように何の対応もしなかったことは大腸ファイバーを実施した医療機関として無責任だと感じます。クリニックの弁護士から連絡があると言われたそうですが、まだ予断を許さない状況であれば、今後の交渉も方向性が定まらないと思います。そこで、患者さんの状態が落ち着くのを待って、治療にどれぐらい日数や費用を要したのか、日常生活への影響が生じているのかどうかなどを踏まえて交渉してはどうかとお伝えしました。

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。
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