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COML患者相談室

治療の希望を伝えたら、露骨に反対する反応をされて

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、COMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2014年8月号からの転載です)。
「この病院ですべき治療の段階は終わりました」と言われ、転院することになったが…。(© Kav - Fotolia.com)

 57歳の従兄が半年前に仕事中の転落事故で外傷性くも膜下出血を起こし、意識が戻らないまま入院生活が続いています。従兄は独身で、きょうだいはいません。両親も早くに亡くなったので、私(49 歳・女性)がキーパーソンとして病状の説明を受けたり、治療を受ける意志表示をしたりしています。

 従兄は事故直後、大きな病院に救急搬送されて、集中治療室で治療を受けました。一命はとりとめ、一般病棟に移されましたが、1カ月後ぐらいに「この病院ですべき治療の段階は終わりました。

 今後はいまの状態を維持していく段階に入っているので、転院を考えてください」と言われ、医療ソーシャルワーカーに相談して病院を移りました。その病院も長くなったので、再び転院の話が持ちあがり、昨日つぎの病院に転院したところです。

 転院時には私も付き添ったのですが、、今度の病院の担当医からこれまでの事情を詳しく質問されました。今後の治療方針について意向を聞かれたので「従兄はまだ年齢的にも若いので、積極的な治療をお願いします」と伝えたのです。すると、担当医は明らかに「あり得ない」という表情で「え~っ!!」と言うのです。

そして、「それなら痰の吸引方法を変更するので、全身麻酔で手術することになってもいいですか?」「積極的治療を望むのに、こちらの提案を受け入れられないなら、あなたの希望が叶う転院先を探してきてくださいよ」「できるだけ早くに方向性を固めてください」と追い立てるように言われ、私はどうすればいいかわからずパニック状態になってしまいました。

 入院に際してのさまざまな文書を受け取って帰ってきたものの、何から考えればいいのか気持ちが落ち着きません。どうやら今度の病院の担当医は、あまり治療をしたくないようです。転院したほうがいいのでしょうか。

COMLからのアドバイス
 

 患者(側)の意向を尊重すると言いながらも、医療者側に確固たる方針があって、それにそぐわない意思表示をするとあからさまに受け入れがたい反応をするという相談は少なからず届きます。

 この方の場合、まずは落ち着かれるまでお話を伺ったうえで、そもそもいま患者さん本人はどのような状態なのか、積極的な治療とは何を指していて、それは何を期待しておこなう治療なのか、問題を整理するためにお聞きしてみました。すると「そのような具体的なことは説明を受けていないけれど、若いので諦めるのは気が引ける。治療さえすれば何とかなるのではないかと思っていた」とのことでした。それでは意思表示する前提の状況があまりにも不確かです。

 そこで結論ありきではなく、もう一度状態のきちんとした説明を受け、ドクターの考えも聞き、そのうえで再度考えてみてはどうかとお伝えしました。

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。
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