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もっと早く血液検査をしてくれていたら…

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、プライバシーに配慮した上でCOMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2015年6月号からの転載です)。

 79歳の母は、60歳代半ばからコレステロール値が高いと指摘され、近くの開業医をかかりつけ医にして通院していました。

血液検査の結果、腫瘍マーカーの値がかなり高いと判明し…。(luchschen/123RF.com)

 2年前に食欲がなくて、胃のあたりが重苦しいと言い出し、かかりつけ医に相談したところ、胃カメラ検査を受けることになりました。その結果、逆流性食道炎と診断され、薬が処方されました。しかし、半年ぐらい経っても症状が改善しないため、かかりつけ医は「念のため、腫瘍マーカーを調べてみましょう」と血液検査をしてくれたのです。すると、CEAという腫瘍マーカーの値がかなり高いとわかり、すぐに大きな病院を紹介されました。

 病院では、エコーやCT、MRIなどの検査を受けたのですが、その結果、6センチもの大きなすい臓がんが見つかり、肝臓にも転移していることがわかりました。ドクターからは「手術はできない状態なので、治療をするとしたら抗がん剤による化学療法になりますが、大きな効果は期待できません」と言われました。

 病状の説明は、母本人も一緒に受けたのですが、「私は難しいことはわからないから、あなたたち(娘夫婦)に任せる」と言いました。たとえ大きな効果はないとしても、何もしないよりはいいかと思って抗がん剤治療をお願いしたのですが、治療が始まってすぐに急速に母の状態が悪化し、治療の継続すらできなくなってしまいました。そして、すい臓がんがわかってから約4カ月で母は亡くなりました。

 病院に転院してから、かかりつけ医に会っていないし、母が亡くなった報告もしていません。母の死から約1年が経ち、この間、かかりつけ医への不信感が拭い去れずにいます。母が胃の不調を訴えた段階で腫瘍マーカーの検査をしてくれていたら、転移のない状態ですい臓がんが見つかったのではないか。もしそれが無理だったとしても、薬の効果が出ないのに半年も同じ薬の処方を続けていたのは無責任だったのではないか、という気持ちが高まる一方なのです。かと言って、何をすればいいのかもわからず、悶々とした日々が続いています。いったい、どうすればいいのでしょうか。

COMLからのアドバイス

 結果的に進行した状態ですい臓がんが見つかり、ほとんど治療ができないまま亡くなってしまわれただけに、娘さんたちにとっては後悔の念が残っているのだと思います。症状を訴えて、かかりつけ医の受診を続けていたのに、なぜ……という思いが消えない気持ちはとてもよくわかります。

 ただ、すい臓がんは特徴的な症状があるわけではなく、早期で見つけるのは難しいとされています。それだけに、母親の訴えていた症状で、もっと早くにすい臓がんを疑うことができたかどうかは難しいところではないかと思いました。そこで、冷静に話すことができるようであれば、一度かかりつけ医に面会を申し入れ、その後の報告かたがた、かかりつけ医の考えや意見を聞いてみることも一つの方法ではないかとお伝えしました。

【COMLからのお知らせ】
 COMLでは、「医療で活躍するボランティア養成講座」の参加者を募集しています。患者と医療者が協働してよりよい医療をつくりあげていく時代。患者の視点や意見がいまほど必要とされているときはありません。ボランティアといっても、活躍する場はさまざま。まずは医療の周辺事情を理解し、賢い患者になったうえで、あなたが参加できるボランティア活動を探してみませんか?
 大阪開催は8/10~14の5日間、東京開催は10月から来年2月にかけて5日間のスケジュールで行います。5回の講座は、連続参加はもちろん、関心のある講座だけを選択することもできます。
 詳しくは、こちら をご覧ください。

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。

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