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「難易度が高い手術は収益につながらない」 とは?

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、プライバシーに配慮した上でCOMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2016年5月号からの転載です)。

「難易度が高い手術は収益につながらないので、差額ベッド料が必要な個室に入院してほしい」といわれ…。(©torwai Suebsri-123rf)

 私(35 歳・女性)は3年ほど前に子宮筋腫が見つかり手術を勧められたのですが、さほど大きくなかったので「できれば手術は受けたくない」と伝えて経過観察をしてもらってきました。ところが最近になって急に筋腫が大きくなり始め、ドクターから「もう手術をせずに様子をみることは勧められない。筋腫部分だけの核摘出をするなら、いまが最後のチャンス」と言われました。私は手術を受けるなら腹腔鏡でと希望したのですが、「この大きさの筋腫だと当院では腹腔鏡の対象にならないので、開腹手術になります」と言われました。そこで、ネットで調べた結果、小規模な病院ながら腹腔鏡の手術件数が多いドクターを見つけ、そのドクターへの紹介状を書いてもらったのです。

 紹介状と画像などの検査データを持って受診すると、「この大きさの子宮筋腫を腹腔鏡で手術するのは難易度が高いので、一般的には断られると思います。でも、私は腹腔鏡で手術をおこなう自信はありますよ」と言ってくれたのです。ただ、「難易度が高い手術は収益につながらないので、1日2万5000円の差額ベッド料が必要な個室に入院していただきたいのです」と言われました。7日間の入院と言われているので、余分に20万円近いお金が必要になり、ちょっと負担が大きいなと思っています。ただ、「難易度が高い手術は収益につながらない」という言葉の意味と、なぜそれが個室への入院につながるのかが理解できないので、返事をしあぐねています。どういう意味なのでしょうか。

COMLからのアドバイス
 もちろん、真意は言ったドクターに直接尋ねるしかありません。ただ推察するに、難易度の高い腹腔鏡手術ということは、通常の腹腔鏡手術より時間と労力を要するということだと思います。しかし、たとえば3倍の時間をかけて手術をおこなったとしても、手術の診療報酬が3倍になるわけではなく、請求できる点数は同じです。それだと割が合わないので、せめて別に請求可能な差額ベッド料を支払ってもらうことで、採算を合わせようという意味なのではないかと思います。これまでも採算を合わせるためだろうと思う同様の対応は見聞きしたことがありますが、ここまで露骨に提案するのも時代の変化なのでしょうか。相談者にはドクターに直接確認することを提案したうえで、上記の可能性を説明し、難易度が高い手術ということからも慎重に選択するようアドバイスしました。
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。
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