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病院で受ける検査事典

おもな検体検査:電解質の検査

無機リン(iP)

むきリン

基準値

成人:2.5~4.5mg/dl

小児:4.0~7.0mg/dl

ホルモンの分泌が減少すると無機リンが増加
腎機能に障害がおこると、無機リンが尿中にうまく排泄されず、血液中の無機リンが増加
腎臓や副甲状腺などの病気を調べる検査です。腎機能障害では高値に、副甲状腺の機能障害では高値・低値になります。

腎機能、副甲状腺機能などを反映

 無機リンは、生体中ではカルシウムに次いで多い電解質(陰イオン)です。生体中の無機リンの量は体重の約1%(500~800g)で、そのうちの80~90%は骨に、約15%が軟部組織に存在しています。骨や歯では、その大部分がカルシウムと結合してリン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト)として沈着しています。血液中の無機リンは全体のわずか0.1%で、リン酸化合物として存在しています。

 血液中の無機リン濃度は、活性型ビタミンD3が腸管での吸収を促進し、副甲状腺ホルモンが尿細管での再吸収を抑制して、調整されています。その他、骨からの血液中への移行なども無機リン濃度に影響します。

 無機リンは、約60%が腎臓から尿の中に、残りは腸から便として排泄されます。そのため、腎不全などの腎機能障害があると尿中への排泄がうまくいかずに血液中の無機リンが高値になります。

 また、副甲状腺ホルモンは尿細管での再吸収を抑えて、尿中への排泄量を増加させますが、副甲状腺の機能が低下してホルモンの分泌が不足すると排泄されにくくなって、血液中の無機リンは高値になります。反対に、副甲状腺の機能が亢進して過剰にホルモンが分泌されると、無機リンは低値になります。

横紋筋融解症で高値に

 脂質異常症(高脂血症)の治療薬(スタチン系)を服用していると、しばしば横紋筋融解症(全身の骨格筋が傷害される病気)を合併します。この病気がおこると無機リンが高値になり、同時に筋肉中に存在するカリウム(参照)や、クレアチンキナーゼ(酵素参照)も高値となります。

成人と小児では濃度に違いが

 無機リン濃度は、成長期の小児では成人より1.5~2.5mg/dl程度高値であり、また、2mg/dl程度の日内変動(早朝低く午後高い)が認められます。異常値が現れたときは原因を明らかにするために、さらにホルモン(参照)などの血液検査などを行います。

 近年、慢性腎不全によって人工透析を受けている人が年々増えています。人工透析の合併症のひとつに、二次性副甲状腺機能亢進症があります。これは、慢性腎不全による高リン血症、低カルシウム血症などのため副甲状腺ホルモンがたくさん分泌され続ける病気です。この状態が長く続くと、骨や関節の痛み、骨折、筋力の低下、皮膚のかゆみ、イライラ感などの症状が起こったり、骨が溶け出してもろくなる線維性骨炎になったりします。

 そうならないためには、食事(リンを多く含む食品のとり過ぎに注意すること)や薬物療法とともに、定期的にリンやカルシウムなどの検査をすることが重要です。日本透析医学会の「二次性副甲状腺機能亢進症治療ガイドライン」では、透析している人は、リンとカルシウム濃度の測定頻度は、ひと月に最低1~2回は測定すること、ただし、これらの濃度が管理目標値から逸脱した場合、あるいはその危険性が高い場合は、その値が安定するまでは毎週測定することとしています。管理目標値は、リンが3.5~6.0mg/dl、カルシウムが8.4~10.0mg/dlです。

疑われるおもな病気などは

◆高値:副甲状腺機能低下症、腎不全、甲状腺機能亢進症、横紋筋融解症、ビタミンD中毒

◆低値:副甲状腺機能亢進症、くる病・骨軟化症、ファンコニー症候群、水酸化アルミニウムを含有する制酸薬(アルミゲル、アルサミン)、全身倦怠・脱力感

▲医師が使う一般用語:「ムキリン」もしくは「リン」

◎著作権 日経Gooday(グッデイ)の「病院で受ける検査事典」検索サービスは、「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」(発行:法研)をデータベース化したものです。掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。

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