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病院で受ける検査事典

画像などによるおもな生体検査:全身の検査

PET-CT検査

PET-CTけんさ

2種類の画像を一度の検査で撮影し、全身の病巣の有無、活動性などの詳細を調べることができます。全身のほとんどのがんの診断に有効な検査です。

PETとCTを同時に行う検査

 PET(positron emission tomography、陽電子断層撮影)検査とは、人体に投与された陽電子(=ポジトロン)から放出される物質(放射線同位元素)の体内分布を検出して断面像として描記することで、細胞の「働き(代謝・機能)」を利用した検査です。

 一方、CT(computed tomography、コンピュータ断層撮影)検査は体外からX腺を照射して、X腺の影によって臓器の「かたち」を画像化する検査です。

 PET-CT検査は、このPETとCTを一体化して同時に撮影する検査です。2つの画像を重ね合わせることで、1回の検査で全身の病巣の有無、活動性などの詳細を調べることができ、より正確な診断を行うことができます。

ほぼ全身のがんの診断に有用

 PET-CT検査は、全身のほとんどのがんの診断、がんの進展の評価、がんの治療効果の判定、がん手術後の再発の有無を調べるのに有用な検査です。

 体内にできた腫瘍(がん)には数多くの血管(栄養血管)が分布し、さらに、がん細胞は正常な細胞に比べて数倍のブドウ糖を細胞内に取り込む性質をもっていて、活発な糖代謝を行っています。PET-CT検査は、がん細胞のこういった性質を利用します。

 すなわち、この検査では、FDG(フルオロデオキシグルコース)という検査薬を使いますが、これは放射性同位元素(フッ素18)で標識されたブドウ糖によく似た薬剤で、体内に入ったFDGは活発な糖代謝を行っているがん細胞に多く取り込まれ(集積)、陽電子(ポジトロン)を放射します。この陽電子を検出し、FDGの体内分布を画像化することで、がんの診断を行います。

検査時間は約30分、苦痛はまったくない

 検査当日は絶食です。午後の検査の場合は検査前4~5時間は絶食となります。水や茶などは可能ですが、糖分を含むジュース類は飲まないでください。

 検査前に1mlの採血を行って血糖値を調べます。FDGはブドウ糖製剤であるため、血糖値の影響を大きく受けます。そのため、血糖値が高いと異常のある部位の画像が鮮明に描出されず、また、FDGの腫瘍細胞内への取り込みが正しく評価できなくなるなどのため、検査前に血糖値を測定し高血糖がないことを確認します(高血糖の場合、検査が中止になることもあります)。

 検査着に着替え、ペットボトルの水を約300ml飲み、排尿をします。FDGを血管内に約2分で注射し、薬剤が全身で代謝される間の1時間ほど静かな部屋で椅子に座って安静にします。その後、検査台(CT検査台テーブル)に横になり、検査が始まります。

 まず最初に、検査台がガントリーというX線が出る筒のほうへゆっくりと移動し、全身のCT撮影(CTでの体のプランニング)を行います。CT撮影後、検査台が移動していったんガントリーから離れ、再びガントリー方向へ移動して全身CTを撮影します。その後、検査台が再びガントリーから離れるように移動しながら、ガントリー内に組み込まれた検出器を用いて全身のPET撮影を行います。

 撮影は約30分で終了します。撮影中は静かに横になっているだけで、苦痛はまったくなく、呼吸も普通に行ってください。撮影終了後、FDGを尿から洗い流すため、もう一度ペットボトルの水を約300ml飲み、30分ほど椅子に座って安静にし、採尿コップに排尿して終了となります。

 FDGは放射性物質を含みますが、副作用の心配はありません。ただし、検査後の約2時間程度は少ない放射線が体内に残っているので、念のためトイレの後は手をよく洗い、妊婦や乳幼児との接触はなるべく控えます。

がんの種類などによって保険の適応が決められている

 PET-CT検査は、妊娠している人、妊娠している可能性のある人、授乳中の人は、原則として検査を受けることができません。また、糖尿病の人、血糖値が高い人は事前に主治医に相談してください。

 この検査は、ほとんどのがんの診断に有用ですが、早期胃がん、前立腺がん、肝臓がんなど種類によっては発見しにくいものもあります。また、この検査は厚生労働省の「保険適応ガイドライン」によって、がんの種類や状態ごとに保険適応の可否が細かく決められています。がん以外では、一部のてんかんや虚血性心疾患などの検査が保険の適応となっています。詳しくは主治医に相談してください。

■肺がん:PET全身像
PET-CTでは全身の変化が判読できるよう、全身像としても(処理)画像を作成。左肺上部にFDGの集積像を認める。
CT像
左肺野に結節影を認める。
PET像
CTと同じ部位に薬剤(FDG)が集積した結節を認める。
PET-CT画像
左肺野にFDGが集積した結節影(矢印)を認める。

▲医師が使う一般用語

・「ペット」=positron emission tomography(陽電子断層撮影)の略PET から

・「ペットシーティー」=positron emission tomography(陽電子断層撮影)/computed tomography(コンピュータ断層撮影)の略PET-CTから

◎著作権 日経Gooday(グッデイ)の「病院で受ける検査事典」検索サービスは、「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」(発行:法研)をデータベース化したものです。掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。

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